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失職後の国民健康保険料軽減措置

 一般的に労働者が何らかの理由で離職した場合、退職日をもって会社で入っていた(入らされて強制的に保険料を取られていた)協会けんぽや健康保険組合などの健康保険の適用がなくなることになります。日本は「国民皆保険制度」の国なので制度上、国民は全員なんらかの公的な医療保険制度に加入しなければなりません。
 したがって退職した日の次の日からできるだけ早く次の保険制度に加入する手続きをすることになります。ここではいくつかの選択肢があります。
1.住んでいる市町村の国民健康保険に加入する
2.これまで加入していた会社や役所の健康保険の任意継続の制度を利用する
3.家族がなんらかの健康保険に加入していればその被扶養者になる
(ほかにもいくつかありますが、ここでは一般的なものだけをあげます)
 3の家族の被扶養者になるという選択は保険料を支払う必要がなく、もっとも有利ですが、所得などいくつかクリアしなければならない条件があり、一般的ではありません。
 多くの方が1の国民健康保険(以下国保といいます)加入か、2の任意継続被保険者(以下任継といいます)になることを選択することになります。
 国保の保険料が前年の所得を基準に決められることから離職した直後の保険料が異常に高くなり、社会問題化していました。リーマン・ショック後の2008年年末の「年越し派遣村」などで保険料の高額化を恐れた無保険状態の失業者が続出したことなどは記憶に新しいところです。
 任継は離職の時の月給か月給28万円のどちらか安い方の標準報酬月額を基にした保険料を支払うことになります。在職中は事業主と折半になっていた保険料を全額支払うことになり負担が増えます。(協会けんぽでは標準報酬月額28万円なら、介護保険負担がない場合全国平均で26,152円となります)また任継は期間が離職後2年間の限定となり、その間保険料は変更されません。
 これらのことから離職直後は任継になり、その後、国保の保険料が安くなった時を見計らって国保に乗り換えるというのが一般的には有利とされてきました。いずれにせよ2年たてば強制的に切り替わることになります。
 このような状況であったところ、今年の4月から会社都合などで離職した労働者に対しては離職の翌日から翌年度末までの間、前年の所得を3割と見なして国保保険料を計算するという措置をとることになりました。
 厚労省の試算では「一般的な家庭の中小企業勤務の給与収入が500万円男性のケースで、失業して全国健康保険協会(協会けんぽ)から国保に移ると、現行制度では、協会けんぽで23万4千円(年額)だった保険料が34万7千円(同)に増えた。しかし今回の軽減措置により14万8千円(同)となり、20万円近い減額となる。」としています。
 高額になりがちだった離職直後の国保保険料がかなり安くなることになり、一定の労働者にとってはかなり有利になりました。ただ要件がいくつかあり、重要ですから労働者はしっかり記憶しておいてください。
 ポイントは雇用保険で特定受給資格者、特定理由資格者として失業給付を受けることのできる労働者ということです。いわゆる「会社都合の退職」といわれる離職であり、3ヶ月の給付制限のない失業者のみが対象となっています。(「会社都合」や「特定受給資格者」につき、ニュース2009年1月から3月の「知っておくと得」など参照)
 しかしながら雇用保険の失業給付を受けることのできるということは最低でも6ヶ月は雇用保険に加入していなければなりません。短期の契約で働く労働者や就職してすぐに離職しなければならなくなった労働者はこの制度の恩恵を受けることができません。
 また、退職勧奨などで離職する場合、「会社都合」であるにもかかわらず、「自己都合」の離職にしてしまおうとする事業主も多く、労働者は注意が必要です。
 この軽減制度は失業者が保険料の高額化によって医療から排除されるという状況を防ぐ意味では一定の評価はできますが、雇用保険の失業給付を受けられない労働者は救われないという中途半端な制度になっているといえます。
(なお一部の市町村では国民健康保険の保険料の代わりに国民健康保険税という税金を徴収するところがあります。その場合は保険料を保険税に読み替えてください)
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