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◆労働契約法案及び労基法「改正」法案の狙いは?

 今年の通常国会に上程された労働契約法案、及び労働基準法改正法案は、いわゆる残業代ゼロ法案(ホワイトカラーエグゼンプション)が削除されたとはいえ、なお重要な問題点を含んでおり、この法案の狙いを明らかにして、成立を阻止することは重要な課題となっています。

 労働契約法案は、そもそも経営者(使用者)の横暴を許さず、労働者保護を図ってほしいとの労働者の切実な期待に応えるものとは一切なっておらず、本来、労働者と使用者との合意によって成立する労働契約(法案6条)について、同法案は、使用者が一方的に決定できる就業規則に、契約としての効力を認めていることが特徴となっています。

 契約法案7条は、「合理的な労働条件が定められている就業規則」を「労働者に周知させた場合」、「労働契約内容は就業規則で定める労働条件による」となっているのです。つまり、就業規則が存在しない場合でも、周知を効力発生の要件として、労働条件の法的規範性を認めているのです。

 とくに、労働条件の不利益変更の条項の10条は、原則として、許されない就業規則の条項の追加による不利益変更の判断基準が想定されておらず、経営者が労働条件の不利益変更に道を開く内容となっています。

 契約法案11条の就業規則変更手続きは、「労基法90条の定めるところによる」として、現状どおり、変更に関する労働組合(労働者団体)の役割を意見聴取に止めています。

 現状の判例法理が「就業規則が法的規範としての性質を有するものとして拘束力を生ずるためには」その内容を労働組合や労働者代表に周知させれば足りるのであり、個々の労働者が就業規則の存在及び、内容を現実に知っていると否かにかかわらない(秋北バス事件判例)のであるから、労働条件の不利益変更が個々の労働者が知らない内に労働者代表や家畜化した労組の形式的意見聴取の上で進められる恐れが強いものとなっています。また、労働者代表選出の民主的手続きが法律(案)で定められていないことも問題です。

 また、契約法案は、出向について、当該労働者の本人の合意が何ら触れられていないことも問題です。

 次に、労働基準法「改正」法案だが、表面上長時間労働の抑制を装いながら、その中身は、ほとんど実効が期待できない内容となっています。所定外労働時間が「1ヶ月について80時間を超えた場合」のみ、超えた部分についてだけ「5割」以上の割増賃金を認めるにすぎず、しかも、中小企業(原則として資本金3 億円以下、又は常時使用労働者300人以下)には適用されないことになっています。

 日本の労働者の8割以上が、中小企業で働いているのであるから、この法案はむしろ、1ヶ月80時間もの“過労死ライン”の長時間労働を容認する法案と言えるのです。

 代償休日制度も月80時間を超える残業部分についてのみ、代償休日制度を労使協定によって認めるにすぎないのです。

 以上のように、労働契約法案及び労基法改正法案の狙いは、労働条件の不利益変更と長時間労働の容認にあり、労働条件の悪化を狙いとしていることは明らかであり、労働組合としては絶対に容認できない法案であり、新世紀ユニオンは引き続き、これら法案に反対していきます。

 両法案を見れば自公連立政権の本質が反労働者的であることは明白なのです。
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