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給与総額最大の落ち込みが意味するもの!

日本資本主義の危険な進路
 厚労省が8月3日に発表した6月の毎月勤労統計調査によると、現金給与総額(1人平均)は前年同月比7.1%減の43万620円と、13ヵ月連続で減少した。この減少率は2002年7月の5.7%減を上回り、現行方式で調査を始めた1990年以降で最大となった。
 この給与総額の最大の落ち込みは、昨年秋のリーマン・ショック以後の世界同時不況が響いたのは確かだが、それだけが原因ではない。小泉「改革」で労働力の流動化が進められ非正規労働者が約3分の1を占めるまでになり、この非正規労働力が景気の安全弁として機能し、失業者の隊列に投げ込まれる。
 総務省が7月31日に発表した労働力調査によると、6月の完全失業率は前月を0.2ポイント上回る5.4%で過去最悪の5.5%に迫る水準となった。完全失業者数は前年同月比83万人増の348万人で、これまでで最大の増え方である。
 この就業労働力の減少が賃下げ圧力として働くので給与総額が落ち込むことになる。
 新世紀ユニオンの労働相談でも一方的な解雇と大幅な賃下げが一方的におこなわれたという相談が増えている。リストラによる搾取の強化は巨額の利潤を生み、それは海外進出のための資本蓄積となっていくのである。
 この賃下げの形態には様々ある。ボーナスの減少、残業の制限、降格による減給、本給の削減などでおこなわれているのである。
 生産が持ち直し、景気は最悪期を脱したと言われるが、給与が11ヵ月連続で減少している下では個人消費が伸びるわけがなく、したがって景気の回復への悪影響は避けられないのである。
 まとめると、終身雇用を棄て、労働力の流動化を進め、不況になればすぐ不要な労働力を解雇し、賃下げを進め、不況の影響を労働者に転嫁できるようにしたことが、1年間で給与総額が7.1%も落ち込む主要な原因である。
 この賃下げを可能にしたのは、労働組合の家畜化や、その上層連合による労働者の無力化があり、海外からの「研修」の名による安上がり労働力の流入がある。つまり政府・独占資本は、計画的に賃下げの環境を整えてきたのである。
 我々はこうした政府の賃下げ誘導を「野蛮な搾取化」であると主張してきた。労働者の給与総額の大幅な低下は、国内の個人消費を当然にも縮小させる。国民経済は縮小再生産のサイクルに入っていくことになる。
 政府と独占資本の一方での野蛮な搾取化による企業の高収益体質は、他方で国民経済を疲弊させるのである。政府が法人税を減税し消費税を5%にしたことも個人消費を減少させた。また税源の地方への移譲3兆円を口実に、行政改革と称して、また地方自治と称して補助金や交付税を10兆円近くも削減して、地方経済を破綻に追い込んだことも、国民経済の深刻な打撃となったことを指摘しなければならないのである。
 政府・独占資本の輸出と海外進出重視の政策が国内産業構造の転換を遅らせ、新産業の育成を怠り、国民経済の発展を導くことができなかった原因である。
 重要なのは資本の輸出ではなく、国内への投資を誘導することであった。結果として海外市場重視の対米追随の政策が日本資本主義の侵略性を強めたのである。
 自衛隊の海外派兵の恒久化法制定策動こそ、労働者の賃下げと表裏の関係をなしている。つまり賃下げは「内に抑圧・外に侵略」の危険な進路を進んでいることの反映なのである。
 つまり企業の海外進出という経済的基礎の上に海外派兵恒久化の狙いがある。政府は大企業の海外権益を守るとは言えないので「国際貢献」などと言っているのである。日本企業は海外進出ではなく国内への投資を重視すべきであり、とりわけ新産業への政府の政策誘導が国民経済の再建のために必要であり、同時に賃下げ路線からの転換、所得の再分配による内需中心の経済へと転換することを強く訴えたい。
 同時に日本は対米追随の戦争路線からの転換の時であることを指摘したいのである。

 2009年8月15日
       新世紀ユニオン執行委員長
            角野 守
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