郵政民営化にあたって看板や内外装の改修工事が急ピッチで執り行われております。その工事の一つが更衣室の中の仕切りの設置です。民営化後は一つの局舎内で会社が三分割されることから、会社の違う社員が同じ部屋の中に同居する訳にはいけないということで仕切りが入ります。
また、郵便事務室と郵便窓口は別会社なので分厚い扉が設置され施錠されます。また、地下のガレージのエレベーターの開扉ボタンにも施錠ができるように工事されました。
それに合わせて地下の倉庫をつぶして女子更衣室が増設されました。もともと配達する郵便局は男性が大半を占める職場なので女子更衣室の増設は致し方ないと思います。ところが、郵便局の地下は、物品の倉庫の他に機動車のガレージと男子更衣室と男子トイレしかありません。男社会を象徴するものでしょうか。
増設された女子更衣室は、何と男子トイレの隣です。男子トイレにはドアがありません。トイレが外から見えないようについたてが一枚設置されました。女性の外務職員には申し訳ないのですが、地下には女子トイレがありません。
郵政事業が全体として経費節減に躍起になっている中では急な大出費なのでしょうか。民間企業になったからセキュリティーを向上させなければならないのでしょうか。郵便局は、国営企業であっても通信の秘密(貯金保険課は財産の秘密)という郵便事業誕生当初から大きな義務が課せられています。
私が思うには、今まで女性を主要な戦力として雇ってこなかったツケが来たのだと思います。郵便局を民営化するのはもちろん、今までの事業を分割して別会社にするのは私達労働者にとってもお客様である利用者にとっても何のメリットもありません。公共サービスと個人を対象にした少額貯蓄を売り物にしている「郵便局」というブランドはもう既に死んでいるでしょう。
郵便局では、男社会が基本の職場です。郵便配達や貯金保険の外務員で単車や自動車に乗務して業務を行うことや、内務で早朝や深夜労働があったので、女性は働けなかったのかもしれません。反対に女性は窓口や電話応対に多いと思います。しかも、正社員ではなく、パートやアルバイトが大半を占めます。
今では、郵便配達員でさえも銀行員や保険外交員と同じく切手販売等の営業活動が必要です。体力等の問題ではありません。郵便配達の世界にも女性を多く投入した方が営業力がアップするかもしれません。
ただし、これもまた分厚いカベがあります。トイレの問題や日焼けの問題もあるでしょうが、労災で死亡したときの問題があります。労災補償年金の額が既婚者の場合では「夫」が死ぬか「妻」が死ぬかで大きな違いがあります。「妻」である女性が死んだ場合は1,000日分の給料の一回ぽっきりです。
反対に「夫」である男性が死んで「妻」と「高校生までの子」を残して死んだ場合は、年金までもらえます。このケースが一番高いです。
詳しくは、以下のHPをご参照下さい。
国民年金(遺族基礎年金)と厚生年金保険(遺族厚生年金) (社会保険庁のHP)労災保険の遺族(補償)給付 (厚生労働省のHP) というわけで、いくら男女雇用機会均等法で「かけ声」しても、政府やお役人には「男が外で働くものだ」という考えが未だに根強く残っていると思います。
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