参院選はおおかたの予想どおり自民党が「歴史的大敗」(朝日新聞)を喫して、参議院の第一党を民主党に奪われる結果となった。
驚いたことにあれだけはっきりと「安倍ノー」の審判が出たにもかかわらず安倍首相は居座ることを決め込んだ。中川幹事長や青木参院会長は早々と責任を取って辞任することを表明したが、このほうがよっぽど潔いと思えてしまう。
次にやる人がいないという事情もあるにせよ、正面切ってやめろと言い出すことのできないほど自民党は緊張感がなくなってきているのだろう。続けてやると言い出した安倍首相を持て余していたのか自民党の幹部も公明党の幹部も続投をあっけなく了承してしまった事にも驚かされた。
わが国の首相になっている人物はまわりの空気が本当に読めない、どうしようもない人のようである。取り巻きの連中もあきれて「好きなようにさせておけ」という気分になっているかのようにも見える。何人かの自民党の「良識」ある人々は今後自民党はとんでもないことになるであろうことを表明しているが長いものには巻かれることになるのだろう。
投票日の当日、安倍首相は結果もまだ中途半端な時間帯からテレビに登場して早々と「続投」を表明し始めたことも非常に奇妙な感じがした。
安倍首相はテレビ局各局で「真摯に受け止める」だの「反省すべきところは反省して」だの「改革を進めていく」を連発した。次の日も次の日も繰り返し、いったい何回聞いたことか。うんざりである。
また、質問する側は「私と小沢さんとどちらが首相にふさわしいか」と選挙中に安倍首相が問うた事を引き合いに出して追求するのだが、まともに応えようとしなかった。この無責任で人をはぐらかすあたりは前首相の小泉の手法を学んできつつあるのかもしれない。
日本中の人々は、投票日当日のこのうつろでほうけた顔で続投を表明する安倍首相の顔を見て呆然とし、この人がこれからも日本のリーダーを続けるのかと思うとやりきれないという気持ちになったことだろう。今後、大きな疑問と不信感が日本中をとりまくことになる。
選挙当日は姿を見せなかった民主党の小沢代表は火曜日になってあいさつし、安倍首相を「過半数を失っても政権を維持しようとする非常識」とこき下ろし、安倍首相の退陣を迫っていく決意を述べている。このほうが百倍普通の感覚だろう。
顔を見るのもうっとうしい安倍首相は居座るのなら一刻も早く衆議院を解散し、総選挙で有権者の審判を受けるべきだろう。そして自らが日本中でもっとも首相にふさわしくないことを今度こそ身をもって思い知る必要がある。
政権は日米両国で「死に体」となってしまった。日本の労働者にとっては良い状況になりつつあると言えるのかもしれない。
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