◆原発事故を“想定外”ですませるな!
新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原子力発電所が63件ものトラブルを引き起こしていたことで、人々の間に原発への不安と電力会社への不信が広がっています。
とくに東京電力の対応を見ていると、隠蔽体質が以前のまま温存されているとしか見えません。東電は16日と17日の記者会見で「想定外」を繰り返しました。これはおかしいと思います。
近年、震度6は珍しくもないのです、だのに今回の地震が設計の3.6倍の地震で「想定外」だったと言うのは納得できません。
原発の建設費用を安く上げるために近くの断層の存在を無視し、想定震度を低く見積もるのは安全責任を始めから無視しているようなものです。
東電は放射能漏れについても当初は“無い”と公表していたが、実際には作業ミスで大気中に漏れ続け、しかもその公表も4時間も遅れた。
変圧器の火災は地震による地盤沈下からショートして起きたことが解っている。しかし存在していたはずの「自衛消防隊」は招集されず、消防への通報も遅れた。
放射能を含んだ水が海に流れ、大気中に放射性物質が放出された。廃棄物を入れたドラム缶も転倒し、フタが開いた。
東電はこれまで原子力発電の「安全」神話を作りあげ、大宣伝してきたが、それがまったくのデタラメであることが中越沖地震で明らかとなった。
1号機から7号機の計63件の機器の故障や破損が見つかったことは重大で、東電はこれらすべてを(隠すことなく)公表した上で、徹底した対策を取るべきであり、震度6程度の地震で壊れるような原発は今後運転すべきではない。
今回の地震による刈羽原発のトラブルは欧米でも重大な関心を集めています。国際原子力機関(IAEA)のエルドラダイ事務局長は、刈羽原発の放射能漏れ事故の日本の調査にIAEAが参加する用意があることを表明している。
現在地球は「活動期」に入っており、今後東海地震や東南海地震では震度7も想定されているのであるから、政府と電力各社は、すべての原発の耐震性を早急に調査して、強度不足の原発は停止して、耐震工事をおこなうべきであり、それまでは欠陥原発は動かすべきではない。
今日本は官僚も政治家も企業も無責任がまんえんしています。その結果「想定外」という言葉がホリエモン以来よく使われています。
しかし事故が起きれば甚大な被害が想定される原発については「想定外」ですましてはならないと思います。
スポンサーサイト