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◆大幅賃下げにどう対応するのが正しいか!?

 労働相談で会社が一方的に賃金を大幅に切り下げ、退職強要の手段(=追い込み型リストラ)とするかのような例が増えています。

 一方的な年棒制や能力給の導入で社員全員が賃下げになったという相談もあります。「賃金が30%も一方的に切り下げられた」とか「5万円~7万円」も賃下げされたという相談もあります。

 会社は、一方的賃下げによって自主退職に追い込めば安上りにリストラできると考えているのです。

 こうした賃下げは、「降格」や配転、仕事の内容を変更することを表向きの理由としてきます。

 労働者がこれに抗議すると「あなたの能力が低いからだ」とか「人事権の行使だ」と言う場合が多いし、賃下げの原因を一切説明しない場合もあります。また懲戒処分を理由として行なわれる賃下げもあります。

 したがって労働者の側は“明日は我身”の立場から、一方的賃金切り下げに対する正しい対応を知っておく必要があります。

<賃下げの口実となる種類と対応のポイントは以下のとおり>

(イ)懲戒処分による賃下げをともなう降格
 この場合処分の根拠となる就業規則の条項があるか?処分の事実関係があるか?就業規則の条項に処分の事実が当てはまるか?懲戒権の濫用でないかがポイントとなる。

(ロ)人事異動として役職の引き下げによる賃下げ
 この場合人事権の濫用となるかがポイントである。業務上や会社組織上の必要性や、本人の能力・適性の程度や労働者の受ける不利益の程度や会社の降格の運用がどのようにされているか、等から人事権の濫用かどうかを判断する。

(ハ)本人の能力を口実にした資格や等級の引き下げにともなう賃下げ
 この場合労働者の賃下げに対する同意、もしくは資格制度にもとづく賃下げの根拠となる就業規則の規定が必要です。また規定があっても濫用にならないことが必要です。賃下げの同意を与えない事、規定の運用の実際を調べることがポイントです。

(ニ)配転に伴う賃下げ
 配転による職務内容の変更に伴う賃下げは、労働者本人の同意と就業規則の定めがないと無効となります。配転は拒否できない場合でも賃下げは同意しない事が重要なポイント、内容証明で同意しない旨通知しておかないと、賃下げを容認したことになるので注意!

(ホ)年棒制を口実とした賃下げ
 この場合導入された年棒制が適法なのかどうかがポイントとなります。社員全員が賃下げになる年棒制は、賃下げを目的とした違法な「年棒制」といえます。

 年棒制は、本人が会社の業績に責任を負う立場にあるかどうか、つまり一部の会社上層の管理職に限定される必要があります。また年棒額の評価基準や評価の方法が細かく定められていなければなりません。恣意的・独断的評価ではダメです。本人の異議申立制度も必要です。また賃金の適正な最低保障額が設定されているか、等が年棒制が適法かどうかのポイントとなります。

 以上 つまり賃下げについては、会社の狙いが“退職追い込み”であったとしても、その賃下げの表向きの理由から適法かどうかを分析して対応する必要があります。

 経験では賃下げの理由を会社に聞いても説明しないので内容証明郵便で質問すると、会社が「反省していない」として懲戒処分をしてくる場合もあります。つまり賃下げは始めから解雇の口実作りの場合が少なくないのが最近の特徴です。したがって最悪の事態を想定して証拠(内容証明)を残していく対応が重要となります。

 賃下げ問題が急増している背景には、大量失業で労働市場が買手市場であり、賃下げされても次の仕事がなく、泣き寝入りする例が多いことが背景にあります。

 さらには、安上りの不安定雇用(パート・派遣・請負】や外国人労働力の流入で賃金相場が下落していることが経営者が賃下げを策す動機です。また賃下げによって生活苦から自己退職に追い込む“リストラ手法”が広がっていることも理由です。

 したがって、たかが賃下げであっても、解雇狙いであるかも知れない以上、証拠を残していく対応が極めて重要です。とくに大幅な賃下げは雇用契約の重大な変更であり、法律上一方的にはできず、本人同意が必要なのでけっして同意しないこと、黙認もしないことです。

 会社が賃下げの説明責任を果たさない場合、内容証明郵便で具体的に説明を求める必要があります。賃下げで不満をこぼすだけで何もしないことは“容認”となるので注意して下さい。

 会社との間で敵対的関係になることを恐れて、内容証明を出すことをためらったため、会社がチャンスとばかり、逆に賃下げをさらに行ない解雇(退職)へと追いつめる例が実際にあるのです。
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