新年明けましておめでとうございます。
今回は人事異動して以来初めての年賀作業です。勤務している郵便局が変わると、なぜかお客様の苦情の「量」も「質」も違うように思うのは私だけではないでしょうか。
今回多発している苦情の中には、不着申告といって「12月28日に出した(投函した)んだけど未だに届いていない。」ということが一番多いです。しかも、差出人と受取人の双方から同じ苦情が寄せられています。○月○日に年賀ハガキを出したという事実を電話やEメールなど他の手段で伝えているのでしょうか。
私達郵便の配達員は、来るはずの郵便物が届かないという不着申告があれば、直ちに隣近所への誤配達が無かったかどうかと区分口やカバンの中の残留(忘れ物)が無かったかどうかを真っ先に調査します。上司はもちろん、電話応対や窓口応対を受けた内務の職員も私達の誤配達をまず第一に疑ってかかります。ここでは、故意に他人の郵便物を盗ったり隠したりするなどの郵便法違反は除外しておきます。
12月31日までは各担当区に届いた年賀ハガキを配達すべき家ごとに分けて輪ゴムで束ねておきます。輪ゴムで束ねる時点で隣家のものや一部転居が混入していないかどうかは、その地域を知っている本務者か長期のゆうメイトが点検することになっています。
ところが、JPSによる人員削減に加えて根拠不明の残業時間削減で先ほどの束の中身の点検を省略しています。「人件費ケチケチ大作戦」の影響でしょうか。休憩時間を削ったり早着手するほかに、上司に認められた残業時間を超えて働いているのはみんながしていることです。
スチール年賀(平常信用の区分口に年賀を区分すること)ゆえに、年賀と平常信の混入防止のためその日に与えられた年賀の仕事を完全に終わらさなければならないのです。作業の途中で「本日の超勤時間は○時間だから早く帰れ」と上司に言われても以上の理由で片づけるのに30分ぐらいかかります。サービス残業で行っています。
内務の事情はよく分からないが、新型区分機による2パス区分(すぐに配達に出られるように末尾の番地(マンションの棟室番号も含む)までOCRの原理で機械が読んで郵便物を並べること)やZ区分(番地が不完全などで機械が読めないときは受取人の名前を読むこと)での誤区分(読みとりミス)が年賀では非常に多くなります。
今時毛筆等で書かれた「達筆な」年賀状は少数派です。今はパソコンによる年賀作成ソフトの普及で毛筆体のフォントが組み込まれています。OCRで文字を読む以上、活字体以外の文字以外は全て認識が難しいです。
まして郵便番号の読みとりを誤ると、もっと悲惨です。他の郵便局はおろか、他府県でも遠い地方まで誤送することがあります。また、VC(ビデオコーディング)によって、機械で読めなかったものは一旦保留して、専用のパソコン?の画面にその郵便物の宛先の画像が映し出され、キーボードで7桁郵便番号と番地を入力し、紫外線で写る住所バーコードを郵便物の表面に印字する。
きちんとした住所バーコードがあれば、機械はほぼ間違いなく読めるのです。VCは手作業で、VDT作業なので、目が疲れます。人手が意外に多く必要です。残念ながら、「作業能率のアップのために」年賀ではVC作業は省略しています。だからといって、年賀作成ソフトに住所バーコード印字機能を持たせるのは事務的な感じがします。
プロによる宛先区分をするための人員を減らしたから、一部の郵便物において、配達と関係のない郵便局の間を行ったり来たりして迷子になっているのも事実です。最低でも機械で読めなかったものは全て手作業に任せるべきです。これが結局は早いのです。
「年賀の取り扱い」に関して、マスコミに通報するお客様がいるそうだが、これはやめていただきたいと思います。郵便のことで何か疑問があれば各都道府県の中央郵便局内にある郵政監察局(警察みたいな仕事をする。逮捕ができる。)へ通報すればいいのです。
人員削減による「合理的な」経営をする限り、第二のJR西日本となる日が、静かに忍び寄ってきます。
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