労働者をめぐる状況
最賃1200円で内需を拡大せよ!
労働市場の規制緩和は、野蛮な搾取化を推進した。派遣やパートや請負など非正規雇用の拡大で労働者の労働条件は急速に悪化した。外国人の研修名目の奴隷労働も労働者の賃下げ圧力となった。
厚生労働省の発表によると今年4月の毎月勤労統計調査によると労働者の基本給は21か月連続で減少しています。350万人もの失業者の存在が労働者の賃下げ圧力となっているのです。
労働相談では最賃以下の労働を強いられている例も多いのです。残業代も払われていないと言う相談も相変わらず多い。全国で残業代がきちんと支払われれば7兆円の市場が生まれると言われているぐらい未払い賃金が多いのが日本の特徴なのです。
経済産業省が6月9日に発表した「産業活動分析」によれば、この10年間で低所得者層と高所得者層が共に増加し、所得の二極化が進展しています。
この二極化は若年層における低賃金の非正規雇用の拡大と高所得者税率の減税が背景にあると見られます。
日本経済の消費不足、デフレと言われる経済の縮小再生産は、金持ちへの富の集中と、労働者・人民の貧困化が反映しているのです。
今年3月には生活保護受給世帯が134万を超えた。フルタイムで働いても収入が生活保護より少ない例もあるのだから勤労意欲などでるわけがない。
このままでは、社会的諸経費が増大するだけです。
終戦後の日本経済の急成長は、労働基本権を認めたことで賃金が急上昇したこと、農地改革で農村が市場となったことで内需が拡大したことが戦後復興の起動力となったのです。
政府は最低賃金を2020年までに平均1000円に引き上げる目標を新成長戦略に盛り込むことを決めた。しかしこれではデフレを一掃するまでにはいかない。少なくともヨーロッパ先進国並みの時給1200円を目指すべきである。
経済界は最賃100円ですら「経営への影響が大きく雇用が失われる」等と言っているが、これは逆で内需の拡大が景気のバネとなるであろう。
企業は科学技術の応用によって生産性を上げることで利益を伸ばすべきで、賃下げや解雇で目先の利益を追い求める「リストラ経営」がデフレ経済の元凶なのです。
最低賃金1200円で内需を拡大し、合わせて同一労働・同一賃金の原則を保証し、残業代の完全支払いで日本の景気に火をつけるべきです。
最近の10年間で、大企業が内部留保を70兆円以上も積み残していることを見ても、デフレの原因は分配率の低下による労働者の消費の縮小が原因なのです。
賃金が減少し続けているのに誰が消費を増やすだろうか?
ヨーロッパ先進国並みの最低賃金1200円は決して無理な数字ではないのです。
農業への補助金と賃上げの底上げこそが内需への投資を促し国民経済を再建するカギとなるであろう。
内需中心の経済発展のためには設備投資を誘導する政策と共に農村と都市の双方で消費を拡大しなければならないのであり、そのカギは、最低賃金1200円と残業代の完全支払いと、農業への補助金増額なのである。
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