新世紀ユニオン発行のニュース

組合費・拠出金請求事件 その4

 当ユニオンでの組合費・拠出金請求事件についてお知らせしていますが、その後さらに審理が進み、新たに原告(当ユニオン)が準備書面(5)を提出しましたので、以下に公開します。

原告準備書面(5)
平成21年(ワ)第○○号 組合費等請求事件
原 告 新世紀ユニオン
被 告 N
2010年6月○日
原告 新世紀ユニオン 
  執行委員長 角 野  守

大阪地方裁判所 第○民事部第○係 御中

原告準備書面(5)

第1 被告の無知について
 被告準備書面(8)は原告の指導が「不法行為」であると主張する。
 被告が当ユニオン加入時には○○○○と○○○ユニオン関西との間での東京での団体交渉を合意していたのをホゴにしており、団交は難しいので書面で降格・減給と出勤停止処分の撤回を求めるほかなかったのであり、それは被告も合意していたことである。
 被告の解雇は○○○○がおこなったものであり、それがなぜ当ユニオンの不法行為となるのか理解できない。
 被告は大阪高裁における7月22日付の和解(甲第4号証)が不法行為なので和解金を返却するとでも言うのであろうか?被告は自分が合意した和解調書を忘れたのであろうか?
 被告は当ユニオンを「不法行為」と批難しながら、それによる和解金を占有して当ユニオンに拠出金を払わず逃亡したことは触れていない。利益を受けた側が損害を受けた側に「損害賠償請求権を有する」と主張しているのであるから支離滅裂で、難ぐせと言うほかない。

第2 被告の加入の経緯
 被告の当ユニオンへの加入の経緯は「このままでは解雇になるのは確実なのでお金をたくさん取って欲しい」という主旨で加入したものである。その要望にしたがって当ユニオンが誠実に書面による交渉を指導したから被告は和解金710万円を手にできたのである。
 この金額は労働裁判では決して低い金額ではない。もはや会社では働く気はないし、準看護士の資格があるので仕事はある。お金をできるだけたくさん取ってくれ、というのが被告の一貫した主張であった。
 この点については当時当ユニオンは条件の許す限り2人で被告らと対応しているので間違いない。

第3 一審敗訴の原因
 一審敗訴の原因は内容証明の内容が原因ではない。当ユニオンは降格減給について裁判所は人事権として認めるので争わないことを主張したが、被告は顧客である製薬会社の接待を「プライベートの食事会」と強弁し、訴訟の中心的対立点とした。
 ところが被告自身が部下に社内メールで、会社に隠れてスルスル退社し、こそっと接待に参加をうながしたメール(以下スルスルメール)を出していたため敗訴となったのである。一審判決文は以下のように指摘している〈原告が平成17年1月13日の接待について、A製薬会社の側で「使途不明金扱い」で費用を捻出せざるを得ないような会食であったにも関わらず、「私たちもプライベートですので皆様重々宜しくです。楽しい事は楽しいままに思い出にしたいと思います。」「噂が噂を呼ばない様、こそっとスルスル退社宜しくです。」などと記載した電子メールを部下に送信して「プライベート」であると口裏を合わせるような働きかけたことが認められる。〉
 二審直前の打ち合わせで、原告の紹介した弁護士から「接待を被告会社が公認していた事実から接待と認めたらどうか」と提案があり、控訴審では一審の「プライベートな食事会」から「接待であり、被告会社では日常的に認められていた」との主張に変更したのである。
 つまり一審敗訴の主要な原因は被告が社内メールで送った「スルスルメール」を隠していたことだと断言できる。

第4 被告の損害額
 被告は弁護士の着手金が55万6850円だと主張する。着手金が増えたのは被告が残業代の請求を後から追加したため増えたのであり、原告とは関係がない。被告はこの訴訟の拡張で数ヵ月も裁判を引き延ばし、裁判官に未払い賃金増額の狙いを見透かされ、心証を悪くしたことも一審敗因の1つと言える。
 被告は和解金710万円を手に入れ、原告への拠出金を払わず逃亡したことには触れず、弁護士着手金を大幅に上回る解決金を得ながら、また和解調書(甲第4号証)で訴訟費用は「各自の負担とする」と認めながら「損害額」と主張する被告の思考は、原告には理解できないのである。

第5 被告の「損害賠償請求権」について
 被告は会社側(○○○○○○)から平成17年9月に解雇され、平成20年7月の和解までの間の賃金額1194万円を、当ユニオンに対し請求権を有していると主張している。ところが被告が平成20年7月22日に和解した大阪高裁の和解調書(甲第4号証)の和解条項は以下のようになっている。
1.被控訴人は、控訴人に対する本件懲戒解雇処分を撤回する。
2.控訴人と被控訴人は、控訴人が平成17年9月7日付で被控訴人を合意退職したことを相互に確認する。
3.被控訴人は控訴人に対し、本件解決金として710万円の支払い義務のあることを認め、これを平成20年8月22日限り、控訴人代理人指定の下記銀行口座に振り込んで支払う。ただし、振込費用は被控訴人の負担とする。
(4~7は略)
8.訴訟費用は第一、二審とも各自の負担とする。
つまり被告自身が合意して解雇は撤回され、合意退職し、見返りに解決金が払われている。被告は一方で解雇は無かったことを認めているのに、雇用主でもない原告に解雇された期間の賃金約1194万円を請求することは理解できない事である。
 つまり被告は発生していない「未払い賃金」を原告に請求しているのである、したがって被告の「相殺の抗弁」はまったく根拠のない主張なのである。
 当ユニオンの組合規約に定められている拠出金の「支払い義務はない」という被告の主張は、大阪高裁の和解調書を基礎にしているのであるが、被告の当ユニオンへの未払い賃金約1194万円の請求は、自らの立脚点である和解調書を否定することになる。このような請求の根拠のない主張を原告は認めることはできない。
 また被告は解雇中もずっと働いていたので、当ユニオンへの月2500円の組合費を納入している。当ユニオンの組合費は収入の1%と定められている(甲第3号証)。
 自分で解雇中も収入のあったことを証明しているのに「無収入であった」などとウソの主張をしている。収入が無いと主張するなら所得証明書を添付するべきであろう。

第6 被告準備書面(7)とその証拠について
 被告は原告からのメールを証拠として多く出しているが、本事案とは関係が無いだけでなく、これらのメールは被告に送ったものではない。「TN」なる人物とやり取りしたメールの内、誘導して利用できそうな内容を保存していたものであろう。
 この証拠提出によって、なぜ氏名不詳の人物が「TN」名で当ユニオンに潜入したのか、その狙いはメールを被告の証拠として活用するためであったことが理解できるのである。
 「2ヶ月もたつのに訴状が提出されない」とメールが送られてくれば弁護士が買収される可能性を忠告するメールを送るのは当然であり、一般論として「弁護士が裏切った場合どうしたらよいのか?」とメールで質問してくれば、「大阪弁護士会の相談窓口に相談する」ことを教えるのは当然である。
 「TN」の誘導的質問に回答したメールが、なぜ別人の被告の証拠として出てくるのか?不思議である。
 被告にはいくらメールを送っても「ありがとうございます」との返信ばかりで、その内回答も無くなったので被告にはメールを送信しなくなっていたのである。
 原告は被告と、その「夫」と称する人物がこのような詐欺的な手法に熟達していることから、このコンビが労働訴訟を生業としていたのではないか?との疑念を持たざるを得ないのである。例えば、「TN」から「出勤停止中に半分ぐらいの同僚が退職に追い込まれていた」とリストを見せられた件で、原告が「会社はひそかにリストラを進めていたのではないか」と「TN」にメールを送ると、そのメールを証拠として出し「事実でもないことを立証できるはずもない事から、このようなデッチアゲで裁判を進めろという」(被告準備書面7)などと主張する道具立てに使うのである。
 被告の言う和解時の「嘘の指導」とは、この「TN」が「○○○さんの和解のことを教えてほしい」とメールで聞いてきたので知っている事を教えただけである。そのメールが保存され、しかも「嘘の指導をした」として別人である被告の証拠として、メールのやり取りの一部分が証拠として出されている。正に詐欺としか思えない。
 「TN」あるいは「○○○○」と被告とが夫婦であるとの証拠はない。なぜ偽名で当ユニオンに潜入したのかの説明もない。被告の提出している証拠はすべて「TN」の収集、もしくはねつ造したものであり信用性はない。しかもこの男の本名が○○○○であるかどうかの証拠も出されていない。
 なぜ戸籍謄本を提出しないのか理解しがたいことである。
 乙第28号証によれば、被告の月収は33万5150円であった。ところが被告が当ユニオンに申告した月収は25万円であり、組合費は月々2500円を納入していた。被告は加入の初めから原告を欺いていたことになる。

(まとめ)
 被告の主張はその多くが難ぐせと言えるものであり、拠出金や組合費の支払い請求とは関係のない主張がほとんどである。
 原告は被告らとの面談、打ち合わせの際にはできるだけ組合員の立会人を置いて誠実に対応した。したがって被告と当ユニオンの間に何の対立もなかったことの証人がいるのである。だからこそ被告は別人に送られたメールを自分に送られたメールとして証拠提出するという詐欺的手法を取るハメになったのである。
 被告は当ユニオンに加入し、当初は降格減給と出勤停止処分の撤回を求め、その後解雇になり地位確認の裁判を闘うようになった。
 しかし一審では降格理由となった接待を「プライベートな食事会」と強弁し、当ユニオンの地位確認だけを争うという指導に従わなかったため、また決定的証拠の「スルスルメール」が会社側証拠として出されたことで敗訴した。
 高裁では当ユニオンの紹介した弁護士の手腕で和解に持ち込み、被告は710万円の解決金を手にし、当ユニオンに拠出金71万円と組合費を払わず逃亡したのである。
 当ユニオンの組合規約(甲第3号証)の定める拠出金は10%であり、被告が以前加入していた○○○ユニオン関西は20%である。
 被告は、加入時にその支払いを約束し、加入書に署名・捺印したのである。(甲第1号証)
 被告にとっての誤算は、逃亡先の住所を探し出されたことである。逃亡が失敗した腹いせに、被告は嘘で固めた難ぐせの数々を並べ当ユニオンに悪罵をあびせた。
 詐欺だとか横領だと主張し、ホームページにまで難ぐせをつけた。そのあげく当ユニオンが「不法行為」をしているかの様に主張する。
 被告に対する解雇は、和解調書(甲第4号証)によってすでに撤回され、合意退職となっているのに当ユニオンに法的根拠のない金員1194万円もの請求権を主張し「その対等額において相殺する」(被告準備書面8)などと道理のない主張をしている。
 被告の欺瞞は、自分の名前で出した内容証明郵便やメールでさえ当ユニオンに責任をなすりつけていることである。しかも、これらの証拠があったから控訴審で和解できたことは都合よく忘れている。
 被告の主張の内、拠出金をめぐる主張だけは一貫している。それは「裁判は争議ではない」という詭弁で貫かれている。裁判が労働争議の戦術の1つであることは常識であり、被告の主張は詭弁である。このような詭弁で拠出金の支払いが逃れられるなら、当ユニオンのような新しい労働組合は存続できないであろう。
 判決しだいで新世紀ユニオンは解散を免れないことを原告は深刻に受け止めている。組合員の無私の精神で支えられた新世紀ユニオンが、被告の強欲から存続できないなら、多くの組合員は路頭に迷うことになる。
 新世紀ユニオンの専従は、結成時から現在に至るまで無給であり、被告の悪口雑言は自己の強欲を物差しにしたゆえの的外れと言うしかない。
 新世紀ユニオンは、年間100件以上の無料労働相談を受け、この10年間で多くの労働者を支援できたことを誇りに思っている。当ユニオンは被告の拠出金と組合費の不払いで現在組合活動を部分的に中断(現在電話相談のみとし、メール相談を中止している)せざるを得ないほどの危機的状況に陥っている。宣伝活動もこの2年間資金不足から中断している。
 ユニオンの社会的役割の重要性を考慮の上、公平な判決を切望するものである。
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新世紀ユニオンの組合費、拠出金等に関する高等裁判所の判決文を掲載しました。 拠出金高裁判決

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