FC2ブログ

新世紀ユニオン発行のニュース

◆労働紛争における証拠収集の重要性について

 労働相談を受けていて一番に気付くのは、解雇に直面している相談者が意外と証拠の重要性についての認識が欠けている人が多いことです。

 解雇理由が不明な人がいます。これは経営者が解雇理由を文書で渡す義務があることを知らないのです。「退職強要で会社に監禁された」と言うが証拠を残していない人がいます。「職場のみんなが知っている」と言っても、その人たちが首をかけて裁判で証言してくれる訳ではありません。

 会社に懲罰委員会に呼び出されたのに、ICレコーダーで記録していない人もいます。

 解雇になったのに就業規則も見たことがなく、その解雇が就業規則第何条に基づくものか、全くわからない人がいます。

 個別労働紛争では、証拠があるかどうかは、有利・不利、もしくは勝敗を決定するほど重要なのです。

 日本の労働裁判の特徴は、証拠を多く持っている会社にではなく労働者の側に、立証義務が生じるのです。したがって会社側は就業規則を労働者に見せないようにします。労働時間管理記録や業務記録など社内資料も労働者に見せないようにしています。

 証拠も証人も会社側が管理しているのですから、労働者が用意できる証拠は限られています。

 解雇や出向や処分の早い段階からICレコーダーや録音テープで社長や上司の発言を記録することが重要です。

 相談者に「記録していますか」と聞くと、社長に「録音していいかと聞いたがダメと言われたのでしていない」と言う人が時々います。

 中には「連合に相談したら、会社の許可がないと録音してはいけない」と言われたと言う人もいます。これは「連合」の人がウソをついているのです。日本の裁判においては、テープの証拠能力が否定されることはまずないと考えていいのです。

 後からでも証拠は取れます。「解雇を撤回してほしい」あるいは「処分はおかしい」「退職強要をやめて下さい」と、社長や部長や課長との会話を記録することで、後から証拠を残すことができます。「この間の退職強要の時ドアにカギをかけて監禁したのは社長の命令ですか?」と相手との会話を記録すれば証拠はできます。

 ところが新世紀ユニオンの無料相談に応じてくる人の多くが、全く証拠を残さないまま「どうしたらいいか?」と聞いて来るのです。

 就業規則を使用者は労基署に届け出る義務があります。だから会社が就業規則を見せない場合は、労基署で閲覧を求めることができます。ところが地方の労基署は、閲覧をさせず、会社に届け出るよう指導もしていない労基署があります。

 最近の労基署は“規制緩和”の影響か、全く役立たずの組織となっています。したがって今や録音の「隠し撮り」が労働者の唯一の証拠となっている状況なのです。

 職場で暴力を振るわれた場合は、写真・診断書が重要です。暴力を見た人の証言も記録に取るようにします。

 上司のいじめで精神的に病気になったら診断書を取り、そこに書かれている日数病休を取るようにします。

 「会社に録音の許可を得るように」という「連合」の役員の態度はナンセンスと言うしかありません。

 しかし労働相談を受けていると「会社に録音の許可を得ようとしたが拒否された」と言う人が意外と多いのです。これでは証拠は残せず、不当解雇を撤回させ慰謝料を取ることはできません。

 早い段階における証拠収集の重要性を“肝に銘ずる”ことが要(かなめ)の問題であるということです。

 証拠が集まると、次に問題になるのは会社の行為が法律に違反しているかどうかです。ここでは法律(成文法)だけ見て判断してはいけません。日本の労働法の分野で重要なのは“法律の解釈”すなわち裁判所の判例だということを知っておいてください。

 判例を読んで、どんな証拠がいるかを普段から知っておくと、いざという時にすぐ証拠が取れます。
スポンサーサイト



!!ここに掲載の広告は 当ユニオンとは一切関係ありません!!
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
 ブックマークこのエントリをはてなブックマークに登録 このエントリを del.icio.us に登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 この記事をPOOKMARKに登録する このエントリをSaafブックマークへ追加 newsing it!

プロフィール

ユニオンニュース

Author:ユニオンニュース



一人でも入れる労働組合「新世紀ユニオン」が発行するニュースのサイトです。

新世紀ユニオンの組合費、拠出金等に関する高等裁判所の判決文を掲載しました。 拠出金高裁判決

検索フォーム
アーカイブ

カテゴリ

最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
  1. 無料アクセス解析