北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことで、政府・自民党内から「敵基地への攻撃も選択肢とすべきだ」という議論が浮上している。という新聞記事を見て、私は“奇異”な感じを受けました。
日本は従属国ゆえに、自衛隊は攻撃する能力を持っていません。
F-15戦闘機には爆撃装置はついていません。F-2支援戦闘機には爆弾を積めますが給油装置と給油機、もしくは増量予備タンクを開発しなければ北朝鮮を攻撃できません。
つまり日本はアメリカに守ってもらわないと「敵基地攻撃」の能力がないのです。では自民党や政府閣僚達のできもしない「敵基地攻撃」論は何を狙ったものでしょうか? 巡航ミサイルの開発か、爆撃機の開発か、長距離ミサイルの開発か、給油機の導入か、彼らは日本の軍需産業の育成を狙っているのかもしれません。
私は個人的には、精密誘導装置のついていない北朝鮮のミサイルは、核も搭載できず、したがって脅威ではないと考えています。
アメリカが、今回の北朝鮮のミサイル発射で、ミサイル防衛(MD)システム配備を前倒しして日本に求めてくるのは確実です。
日本全土へのMDシステムの配備には10兆円以上かかるといわれています。また在日米軍の再編の費用の日本負担分3兆円もかかります。今回の北朝鮮のミサイル騒ぎで、これらの国会承認が容易になったと見られています。つまり北朝鮮のミサイル実験で利益を受けるのはアメリカだということを見ておくべきです。つまり日本の「日米同盟の強化」はきわめて高くつきます。これならアメリカから自立して、自前の限定的抑止力(攻撃力)を持つ方が安く上がります。
今回の騒動で、憲法9条を守る運動(非武装中立)がいかに法的観念論か、的外れであるかがわかります。憲法9条は従属条項であり、これを守る限り、日本はアメリカの属国として侵略戦争の片棒を担ぐことになります。
与党も野党も対米従属なので、日本には無党派層が多いのだと思います。
日本は自立しないと平和主義を守れないのに、日本の政党が“対米自立を主張できないのは、アメリカが恐い”からだといわれています。情けない話です。日本民族の誇りはどこに行ったのか!! と言いたい.。
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