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所属会社の株主総会出席の報告

 私は一部上場の建設業に勤めている。私は以前、社内のサービス残業を通報したことで、営業職から建設現場での直接労働職へと報復配転を受けている。労務問題以外にも、当社は次々に不祥事が発覚している。
経営者・幹部・株主へ企業倫理について説く機会を模索していたので、本年6月末、私が所属する企業の株主総会に出席してみることにした。
 株主総会当日、会場では20~30名の総務部員が案内を行っていた。当然、顔見知りの者も何名かいた。会場を見回したところ、約100名の出席者がおり、年配の方が大半を占めていた。20代の私は、最年少であった。会場の座席最前列の中央付近には、私に報復人事を施した人事部長をはじめ、幹部職が陣取っていた。彼らは与党総会屋の代わりだろうか。案の定、総会が進行すると、社長からの問いかけに真っ先に拍手することで賛同を表明していた。ただし、総会屋らしき人物は見当たらなかった。今時、総会屋への利益供与はリスクが高く時代遅れなのだろう。
 当日の議案は4つ。1.剰余金の処分の件 2.定款一部変更の件 3.取締役選任の件 4.監査役選任の件であった。社長による議案説明に対し、質疑応答の時間が設けられた。質疑内容は、議案に沿うものに限定された。株主からの質問は2件のみ、市場についての質問と、設備投資についての質問であった。昨今の当社の不祥事を糾弾する声は聞かれなかった。総会は1時間とかからず閉会した。概ね、シャンシャン総会であった。
 総会後の商品見学会では、株主からの専門的な質問や職場にいる従業員へ声をかける風景が見られたことと、年齢層から察するに、出席者の何割かは当社OBが占めていたのだと推察できた。
 今年は様子見のため潜入したので、発言を控えたが、来年ならば経営計画、役員人選、さらに多発する不祥事について意見表明することができるだろうという感触を得た。今年の総会でも、コンプライアンス委員長を務めながらサービス残業の通報者に対して報復人事を処した総務の幹部を監査役に任命した点について、人選の不合理性を追及したいところであった。
 さて、米国のジャーナリスト、マイケル・ムーア氏は、そのドキュメンタリー映画『ロジャー&ミー』において、米自動車大手GM社のリストラを取材するため、何度も当時社長へのアポなし取材を試み、最後には株主総会にまで潜入している。我々も、所属企業が上場しており、インサイダー情報を扱う部署に所属していなければ、自社株式を単位株購入し、株主総会に出席して意見表明をすべきある。さらに、企業の不祥事に対しては、株主代表訴訟を提起し、役員の責任を問うことも視野に入れておくべきである。昨今、労使協調に慣れた企業内労組や陰でしか物を言わぬ無責任な従業員が、昨今の労働者の待遇悪化を招いたと言われる。従業員からの厳しい視線が、経営者によるイノベーションを促進する役割を担うものだと考えたい。
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