男女雇用機会均等法が改正され2007年4月1日から施行されています。この改正のポイントは
1.男女双方に対する差別取扱いの禁止
2.性別を理由とする差別の禁止範囲の拡大
3.間接差別の禁止
4.妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止
5.セクハラ防止に必要な「措置」の義務化などです。
このうち今回は4の妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止について書きます。
男女雇用機会均等法は次のように定めています。
(1) 女性労働者が婚姻したことを理由として解雇してはならない(9条2項)
(2) 女性労働者が妊娠・出産、労基法65条の産前産後休業を請求・取得したこと、その他厚生労働省令で定める事由を理由に解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(9条3項)
ここで言う省令で定める事由とは以下の点です。
・ 母子保健法の規定による保健指導のための時間確保等(均等法12条、13条)
・ 妊産婦の危険有害業務の就労制限の中止等(労基法64条の2)
・ 妊娠中の軽易業務への転換(労基法66条)
・ 育児時間の請求(労基法67条)
・ 妊娠又は出産に起因する症状により労務の提供ができないこと、若しくはできなかったこと、又は労働能率が低下したこと
(3) 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対しておこなわれた解雇は原則として無効となる。《ただし使用者が上記の解雇禁止事由を理由としないことを立証した場合に限り(法9条4条)解雇権乱用法理(労働契約法16条)等に基づき解雇の当否が判断される》
以上の点で不利益取扱いの具体例を挙げると、解雇のほか、有期雇用の契約更新をしないこと、正社員をパートに切り替えること、就業環境を害すること、派遣先が派遣の役務の提供を拒むこと、また賃金の切り下げをすることなどが不利益取扱いとなります。
世の中には、こうした法律を知らない経営者が多いため、実際には女性労働者に対する妊娠・出産を理由として解雇や、正社員からパートへの切り替えなどが公然と行われています。こうした均等法や労基法で保障された権利は、闘うことでしか権利の行使ができないことが多いのです。
実際に会社の不利益取扱いに直面した女性労働者は、新世紀ユニオンに加入して雇用を守り、権利を守る闘いに参加して欲しいと思っています。
とくに妊娠・出産を理由に解雇された女性は新世紀ユニオンに加入して団体交渉で雇用を守るようにしてください。(当ユニオンの団交は大阪・兵庫・京都・奈良で可能)
職業人として生きる女性労働者が自分の雇用を守ろうとすると結婚できない(妊娠・出産ができない)現実があります。これが少子化の一因となっています。
実際に多くの人が出産を機に解雇され泣き寝入りしています。しかし法律で保障された権利を行使すれば職業人生を守りながら結婚し子供を育てることができることを知って欲しいと思っています。
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