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手当が支給されていても残業代は請求できる


 私営業職で働いています。係長ですが部下はいません。毎日夜9時まで働かされています。早く帰ると上司に怒られるので毎日残業です。労働時間管理はタイムカードがあります。会社に残業代を払ってくれと言うと就業規則を見せられました。就業規則には「営業手当て3万円を上回る分については残業代を支給する」となっています。これでも過去2年分で私の残業代は約80万円になります。しかし就業規則の他の条項には「裁量労働制でしかも残業代は払わなくてもいい」と言います。私は残業代をもらえないのでしょうか?

 会社による労働時間管理がタイムカードで行われていること、また係長や課長職は労働基準法上の管理監督者ではありません。したがって就業規則に「営業手当てを上回る分について残業代を支給する」と書いてあっても会社は残業代を(2割5部の割り増し賃金を)2年間に遡り支払う義務があります。
 したがってあなたは約80万円ブラス手当て3万円×24=152万円の未払い賃金をもらえます。裁量労働制であっても残業がキチンと管理している以上会社は支払う義務があるのです。労働者は労基法の労働時間に関する原則を理解しておかないと就業規則などでごまかされることになります。
1) 労働時間は原則として1日8時間と1週40時間を越えてはならない(32条)
2) 休日は原則として週1回以上与えなければならない(35条)
3) 労働時間は原則として実労働時間で算定する。
 つまり営業手当や課長職手当は残業代とは関係がないのです。就業規則に書かれていても、これを残業代に摩り替えることは出来ません。つまりあなたの営業手当ては職責や職務の遂行に対する対価であり、したがって会社はこれら手当を時間外手当と主張することは出来ません。
 労働者は自分の出勤時間と退社時間を手帳やカレンダーにキチンと記入しておくことが必要です。残業代の時効は2年なので証拠があれば2年分まで請求することが出来ます。
 あなたの場合は会社が早く帰ると怒っていたのであり、したがって会社が時間外労働をしないよう指示したり禁止していたとは言えず、したがって「会社が残業は指示しておらず労働者が勝手にやった」という主張も通りません。
 残業代を請求しても会社が支払わない場合は、労働基準監督署に申請して支払うよう求めても払わない例が多いです。組合で団体交渉をしても時間がかかり時効で消えていくことになります。したがって残業代はまず内容証明郵便で会社に請求してください。これにより時効が6ヶ月間停止します。この間に訴訟に持ち込めば良いでしょう。
 なお裁判で残業の未払い賃金を請求する場合、同額の付加金も請求できます。あなたの場合152万円+152万円=304万円が請求できます。
(残業代をもらっていない人は新世紀ユニオンに相談下さい!)
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