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◆通勤災害に関する損害賠償及び生命保険等について

 4月25日のJR尼崎事故で107名が死亡し、460名あまりの負傷者が出ました。この中には出張中、もしくは通勤途上に「災害」に巻き込まれた労働者も少なくありません。567名もの人が事故に巻き込まれ、その多くの人が兵庫と大阪の人たちです。

 したがって今回の当コーナーでは労働者の通勤災害に関する損害賠償、労災保険給付、生命保険に関する問題を取り上げることにしました。

 厚生労働省はすでに今回の事故に関し、労災申請に当たってJR西日本の事故証明は不要とすることを表明しています。

 労災保険制度は、労働者を一人でも使用する事業所はすべて対象になります。この場合使用者(会社)が労災保険料を支払っていなくても労働者は保険給付を受けることができます。(国は使用者からさかのぼって保険料を徴収することになります) パート、アルバイトや日雇い労働者であっても働いていれば保険給付を受けられます。外国人も同様です。

 通勤途中、出張中、単身赴任から帰宅中、もしくは任地へ赴く途中も通勤とみなされます。

 労災保険法に基づく保険給付を請求できるのは被災者本人、または遺族です。(実務上の手続きは事業主が代行する場合が多い) 療養補償給付は、病院での現物給付で、この場合請求書は病院の窓口を通じて労働基準監督署に提出されます。

 その他の請求書は本人もしくは遺族が労働基準監督署に提出します。

 障害厚生年金・障害国民年金は受傷、発症から1年6ヶ月経過すれば支給されます。

 使用者は労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業している期間とその後30日間は労働者を解雇できません。(労働基準法19条1項)しかしこの解雇制限は今回のJR尼崎事故のような通勤災害には適用されません。

 もし事故で負傷し解雇された人は新世紀ユニオンに相談してくだされば団体交渉で解雇撤回を要求して闘うことができます。

 JR西日本は旅客運送業者として乗客に対し「安全配慮義務」があります。この違反は明白ですので受傷した本人と遺族は損害賠償請求ができます。(消滅時効10年) JR尼崎事故の場合乗客だった労働者の過失は0%であり、過失相殺の対象とはなりません。

 請求できる損害は治療費、休業補償、逸失利益、恐怖料を含む慰謝料などです。

 既に労災保険による給付を受けている場合、その給付額は損害額から控除されます。

 死亡した場合、逸失利益から控除される遺族補償給付(年金)は既に受給済み、もしくは支給決定されているものに限られます。それ以降に受給する遺族年金は損害額から控除されることはありません。

 労災の休業補償については労災保険本体から平均賃金の6割が支払われるほか、労災福祉事業として特別支給金が2割支給されます。(計8割)この特別支給金は損害の補填とはみなされません。したがって休業補償の不足分として4割部分が損害賠償請求できることになります。

 休業損害、逸失利益、慰謝料は負傷の程度、後遺症、将来の予想される収入などによって違ってきます。

 今回のJR尼崎事故に巻き込まれた方々は、JRとの交渉をする場合は、あわてず、事故の原因が明確になってから団結して交渉することをお勧めします。

 JR西日本に損害賠償請求を行い和解が成立した場合、和解条項を作成する時は「労災保険法・厚生年金保険法・国民年金法に基づく過去分及び将来分の給付を除き、慰謝料として○○○○円を支払う」旨の和解をすれば、労災保険金、厚生年金、国民年金は支給停止されません。

 働いている人が事故で死亡した場合、勤めている会社が団体生命保険に加入している場合がありますので調査してください。

 本人に知らせず会社が加入していても、遺族には保険金を受け取る権利があります。会社の同僚などに調べてもらいましょう。
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