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困難に直面するオバマの内外政策

 ブッシュの軍事力重視の単独行動主義からオバマの対話重視の「ソフトパワー」路線への転換は、外交的成果に乏しいように見える。

 アメリカの戦略的重点は引き続き中東にある。イラクの石油権益を保持したまま、イラク占領とアフガン占領を続けるのがオバマの戦略である。「息継ぎのための和平」がカーターの時のように徹底性がなく、中途半端なのが特徴といえる。

 世界同時不況の中で軍需産業の占める位置が高いアメリカは戦争を止めるわけにいかない事が、イラクとアフガンとパキスタンでの戦争継続の原因である。

 イランは反米強硬派のアフマディネジャド大統領派が選挙で勝ち、アメリカの話し合いでイランに核計画の放棄をせまる戦略は行き詰まった。

 パレスチナ和平についてもオバマは、イスラエルとパレスチナの「2国家共存案」を提示したが、ヨルダン川西岸へのユダヤ人の入植地建設中止を求めるオバマと、それを拒否するイスラエル政府の対立は簡単には解決できそうにない。唯一前進しているのはシリアとの関係正常化である。それとてイラクへの一部武装勢力の出撃を止めたり、レバノンのシーア派民兵組織ヒズボラの支援をやめるようアメリカ政府が求めたりしているがシリアが受け入れる保証はない。

 中南米においては米州機構(OAS=南北米州35ヵ国で構成)がキューバの復帰を認める決議を全会一致で採択したように、アメリカの孤立が明白となってきている。

 北朝鮮の核実験とミサイル実験に対してもアメリカの無力をさらけ出している。国連安保理の制裁も、中国の反対で骨抜きとなり、核拡散防止のための船舶検査の義務化は見送りとなった。したがって制裁で北朝鮮に核とミサイルの放棄をせまることは不可能となっている。

 6月16日にはロシア、中国、インド、ブラジルの4ヵ国が米ドルを基軸とする国際通貨制度の見直しを求める初の共同声明を発表し、結束力を示している。もはやアメリカの一極支配の復活は不可能と言えるまでになっているのである。

 さてオバマ米政権の最大の懸案の国内経済である。米財務省が金融大手10社の公的資金返済を認めたことは、株価回復の結果といえる。しかしそれは時価会計から転換した会計上の策術によるものであり、失業率の上昇は今も続いているのである。

 米銀行幹部への高報酬制限への反発から公的資金は返済したものの、今以上の雇用情勢の悪化は家計収入の減少による住宅ローンなどの焦げ付きが膨らみ、再び金融危機に直結しかねない危険を孕むものである。

 また昨年秋の信用恐慌を再び招かないための金融規制改革案も中途半端と言われており、また原油価格が再び上昇しており、ドル安、インフレの可能性もあり、とても世界経済が最悪期を脱したとは言えない状況であり、6月13日のG8の「世界経済には安定化の兆しが出ている」とする共同声明は各国の希望的観測をのべたにすぎないものである。

 オバマの内外政策は引き続き困難な局面が続くと見るべきだ。明らかにアメリカ経済は黄昏(たそがれ)を迎えている。別の表現をするならアメリカは“死滅しつつある資本主義”の姿を示しているのである。
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