問 私には小さな子供がいるため子供が病気になるとやむなく会社を休みます。また残業をしていません。
このたび会社が赤字とかで、私も整理解雇の対象になっています。
上司に何回も呼び出され、会社のために「自己都合で退職してほしい」と要求されています。すでに仲間が何人も「自己退職」で辞めていきました。残業代を一切払わない会社なので、会社に未練はなく、ただ辞めるなら「会社都合」の退職にしてほしいし、会社に次の仕事をあっせんしてほしいと思っています。どうしたらいいですか?
答 会社があなたに「自己都合退職しろ」と言っているのは、整理解雇ではありません。正確に言うと“雇用契約の合意解約の申し入れ”であり、これは希望退職募集の前の段階です。会社はなるべく費用を払わずに人員削減をしようとしているのです。
松下電器が早期退職を募集した時は、退職金に20ヶ月分をプラスして支給しました。このように人員削減は本来コストがかかるのです。したがって会社は労働者の無知につけ込んで安上がりに人員削減をやろうとして、あなたに「自己都合での退職」を強要しているのです。したがってあなたは「私は辞めません」とハッキリ断ればよいのです。
こうすると会社は「退職強要」に切り替えるか、希望退職の募集をすることになります。「会社に未練はない」とはいえ、「会社都合にしてほしい」とは絶対に言うべきではありません。
言ったのなら取り消してください。就職難の時代ですから、次の仕事を見つけるまで1年以上かかる場合もあります。したがってせめて希望退職募集までガンバッテ、退職金の割増しを受け取れるまで拒否して下さい。
今度呼び出されたときは、何故私が退職の対象になったか? 理由の説明を求め(記録すること)て下さい。もし会社側が理由として「育児のために休む」とか「育児のために残業が出来ない」ことを言えばこの発言は証拠になります。
もし「自己都合での退職」を拒否したことをもって、あなたに差別的取扱いがされた場合も証拠を残すようにして下さい。仕事量を大幅に増加して嫌がらせをしたり、逆に仕事を取上げたりしてきます。
何回も呼び出して「退職勧奨」が続くようなら内容証明郵便でこの間の経過を書き、“私は自己都合退職をしませんので「退職勧奨」と称した退職強要の即時中止を要求します”と書いて送ってください。内容証明は証拠になります。
会社が仕事を大幅に増やしてきた時は、残業をたくさんして、残業代を請求することも有効です。(この場合、あなたの子供の保育の問題がありますが)
このような対応にもし会社が腹を立てて解雇してくれば、裁判で闘い勝てばよいし、和解金狙いで裁判上の和解を選択する方法もあります。
残業代も払わない会社からは、できるだけ、たくさんのお金を取ってから退職する方法を選ぶべきです。「自己都合退職」も「会社都合退職」も断固拒否して下さい。
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