問 私はある大都市のマージャン・チェーン店で働いています。夕方から翌朝まで12時間労働ですが、深夜手当てが出ません。
また、メンバーが不足の時に仕事でゲームに参加しますが、このゲーム代を給料から天引きされています。またレジの損金が出た場合担当者に不足の金額を負担させます。したがってレジに益金(金額が多い分)が出た場合、それを担当者が自分のポケットに入れてきました。
ところが給料の月末になって社長が「レジの金を盗んでいる。横領だ!」と言って「示談書」にサインさせられ働いている人(若者ばかりです)それぞれ5万~10万円給料から天引きされました。こんな事が許されるのですか? 私は組合を作りたいと思ってます。
答 あなたの相談内容を整理すると以下の3点です。
(1)深夜手当ては貰えるか?
(2)仕事でするゲーム代の負担は合法か?
(3)レジの益金はだれのものか?
まず深夜手当てについては労働基準法第37条で、午後11時から午前6時まで2割5分以上の割増金を支払って貰えます。この不払い賃金は2年前までの分まで請求する事ができます。
また12時間労働ですから、時間外労働が含まれてます。1日7時間、休憩1時間なら4時間の時間外割増賃金がもらえます。(労働時間については就業規則で調べてください) 次に仕事でするゲーム代ですが、従業員が負担する義務はありません。負担は拒否して下さい。
レジの損金(不足分)については担当者が支払うというリスクを負っているのだから、益金を担当者が自分の分としてポケットに入れることが横領にあたるか?との質問ですが、レジの損金は労働者が支払い益金は経営者の利益と言うのは経営者の身勝手です。会社がレジの益金は会社のものと主張するならば、損金も会社が支払うべきです。
したがって会社が「横領だ」と言って「示談書」にサインを強要し給料から「示談金」5万~10万円を天引きするのは明らかに違法です。
マージャンのチェーン店なら従業員も10人以上でしょうから、会社に就業規則を見せてくれるよう求める事が重要です。労働組合結成については働いている仲間が賛成しているなら結成は可能だと思いますが、マージャン店の場合暴力団が関係している場合があります。「示談金」を取る手法が暴力団の手法のように思われます。したがって、普通の会社の仕事をさがす事をお勧めします。組合結成は、相手が「企業舎弟」の可能性がある場合は危険ですのでお勧めできません。
若いのですから普通の会社の仕事を選択した方がよいと思います。どうしても問題を解決したいのなら公衆電話から(携帯で電話してはいけません)匿名で本社所在地の労働基準監督署に告発するのがよいと思います。誰が告発したか分からない形で労基法違反を訴えるのが安全です。また公的機関(労働局)の相談窓口であっせんしてもらう方法もありますから、一度相談することをお勧めします。
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