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兼業(二重就職)は解雇の理由となるのか?

 
 私は、昼間はある会社の正社員として働き、夜は運転代行の会社でアルバイトをしていました。
 この兼業が会社に発覚し「就業規則違反だ、アルバイトを辞めないと解雇する」と言われました。
 アルバイトは深夜に及ぶとはいえ正業の方とアルバイトの労働時間は重なっていないのですが、このような解雇は法律上許されるのでしょうか?


 就業時間外は本来労働者の自由な時間でありますから、就業規則で兼業を全面禁止にすることは合理的とは言えませんが、本業を困難とするような場合は制限が可能です。
 あなたのアルバイトは、運転代行であり深夜に労働が及ぶ場合が多いのですから兼業禁止には合理性があると言えます。
 労働者の自由時間は精神的肉体的疲労回復のため休養に用いることで次の労働日における誠実な労働の基礎的条件をなすものであり、あなたのアルバイトのように就業時間が重なっていないとはいえ、アルバイトが深夜に及べば疲労が昼間の正業に影響を与える可能性は高く、また交通事故の可能性も高くなるのですから、会社の「アルバイトを辞めないと解雇する」との主張には正当性があると思われます。
 質問者が、経済的理由があってアルバイトをしているのだと思いますが、無理な兼業は過労死の原因ともなり、また事故の原因となる可能性があります。
 会社に対する労務提供に支障が生じない兼業は解雇の対象にはなりません。しかしあなたの場合は運転代行であり、労働が深夜に及ぶわけですから、会社が就業規則違反として解雇の意思を表明するのは理由があると判断される可能性が強いのです。
 したがってアルバイトを辞めて正社員の地位を守ることをお勧めします。今は正社員のポストを守ることが大切であり、この事案で会社と争うことはお勧めできません。
 どうしても経済的理由からアルバイトが必要であるなら正社員としての労働に影響を与えない1~2時間のアルバイトを探して下さい。
 つまり兼業(二重就職)のすべてが解雇の理由となるわけではありません。会社の就業規則に「会社の許可なく他人に雇い入れられること」を禁止していても、会社への労務提供に格別の支障がない程度の短時間のアルバイトは禁止の対象とすることは許されません。
 それからアルバイトをしていることと、正社員でどの会社で働いているかは、人には絶対に話さないようにしないといけません。
 秘密にしておけば今回の事も問題にはならなかったのです。
 会社がすぐに解雇せず、アルバイトを辞めれば今回の事は不問にすると指導しているなら、今回はその指導に従うべきでしょう。
学習コーナー
「辞めろ」と言われた時の対応について!
 社長に「辞めろ」と言われた時は冷静に解雇なのか、それとも退職を促しているのかを確認することが必要です。社長に「辞めろ」と言われると労働者は解雇されたと思い込む場合が多くあります。
 解雇事案として解雇権の乱用として闘うのと、退職勧奨による合意解約が成立しているかどうかの問題として闘うのとでは大違いだということです。
 つまり「辞めろ」と言われたら退職を促しているのか、解雇なのかを確認することが重要なのです。もし退職勧奨であれば「私は辞めません」と答えて下さい。
 解雇であれば普通は「解雇通告書」が手渡されます。これは受け取ってかまいません。次に「解雇理由書」を出すよう要求します。「解雇理由書」によって就業規則のどの条項に基づく解雇なのか、具体的に分ります。整理解雇であるのか、懲戒解雇であるのか、能力が無いという理由の普通解雇なのかがはっきりします。
 口頭による解雇の場合など解雇理由があいまいな時は内容証明郵便で質問して会社の回答を求めておくことが不可欠です。(この場合はユニオン指導部と相談し質問書を出すようにします。)
 使用者は退職の事由を記載した証明書を交付する義務があり、解雇の場合は解雇理由を具体的に記入しなければなりません。(労基法22条1項)
 組合が団体交渉を申し入れたり弁護士が解雇理由を質問したりすると、会社が異なる解雇理由を後付けで変更してくることがよくあります。したがって初期段階の解雇理由を録音しておくことが重要となります。また必要な証拠の収集をユニオンの指導でおこなうことになります。
 次に重要なのは内容証明郵便で解雇を認めないこと、解雇の撤回を求め、同時に就労の意思を表明しておくことが必要です。これによって解雇後の賃金請求権を確保することができます。
 注意しなければならないのは、退職金を受け取ったり、社員証や保険証や制服を返せと言われても返却したりしてはいけません。解雇を追認したと取られる事は、できるだけ回避するようにします。
 次に問題となるのは、解雇を争う場合、裁判(本訴)を闘うか、仮処分を闘うか、労働審判で闘うかを決めなければなりません。
 一般的に言うと、早期に金銭解決を希望するなら労働審判がよいが金額は少なくなる。決定的な証拠がある場合は仮処分裁判で「賃金の仮払い」を受けつつ本訴を闘うという戦術も取れます。また証人調べが必要な、双方の主張が対立している事案では本訴を闘う事になります。
 一番ダメな闘い方は、証拠を集めない内に団体交渉を申し入れることです。団体交渉で解雇を撤回する例はほとんどないので、最悪の事態(裁判)を念頭に証拠を集めることが決定的に重要となります。
 経験が示しているのは、証拠が十分であれば裁判で勝利を目指し現職復帰を目標にします。証拠が少なく勝利が不確定な場合は和解による金銭解決を狙うことになります。つまりこの勝利をめざすか、和解をめざすかを分けるのが初期段階の証拠なのです。
 したがって解雇の可能性が出てきた時点でユニオンの指導部と相談し、証拠の集め方の指導を受けるようにして下さい。
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