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新世紀ユニオン発行のニュース

かけられた疑惑を認めてはいけない

 郵便不正事件での大阪地検特捜部による証拠のフロッピーディスク内容の改ざんは、まるで安物の小説や映画のような嘘くささを感じさせるほど驚きの事件でした。
どんな小説家も映画監督も、漫画家でさえ思いつかないストーリーではないでしょうか。
  実行犯の特捜部主任検事の改ざんは、故意に犯罪者を作り上げるという極めて悪質な行為であり、許すことはできません。
 その一方でもう一つ注目しなければならないことがあります。
  主任検事の改ざん行為を報告されながら隠蔽を図ったために、大阪地検特捜部の元部長と元副部長が逮捕されています。しかし、この2人は一貫して否認を続けているのです。
  データの改ざんは内部告発により発覚したといわれており、同時に元副部長と元部長が改ざんを隠蔽したことも内部告発されているにも関わらず、それを認めようとしません。最近は新しい証拠として副部長のメモまで見つかったと報道されているにも関わらず、否認を続けています。
 これはなぜでしょうか?
 一番大きな問題は、是認が大きな影響力を持っているためです。
  証拠隠蔽は刑事裁判となるため、わずかでも是認してしまうと、犯罪行為を認めたとして判決に重視されます。これは刑事事件では一般的なことです。このため、警察や検察の取調べでは是認させようとして自白誘導が行われることがあり、冤罪の温床となっているのです。
  しかも、一旦是認した内容は、撤回することが極めて困難なのです。「自白の心理学」浜田寿美男著(岩波新書)には、甲山事件での取調べの内容が詳しく書かれています。その本を読むと、被疑者は長期間の取調べのため疲労困憊になり、検事の言うことにうっかりと是認してしまいましたが、それを撤回することが極めて困難であったことが記されています。
  これまで取り調べる側であった元部長と元副部長は、是認の恐ろしさを知っているからこそ、一切を否認し続けているのでしょう。
  しかし、ここに学ぶべきところがあります。嫌疑がかかっても、認めてはいけないということです。何から何まで100%否認しろと言っているわけではありません。
犯罪でも事故でも、社内での事件調査ですら、嫌疑がかかった場合には、調査する者たちはあなたを犯人・原因者であるという前提で質問をしてきます。そこでは自分が思っている以上に、厳しい目で見られているのです。質問には、あなたを犯人と疑った前提で作られた推測や憶測が次々に出てきます。その質問にうっかり生返事で是認してしまうと、悪い方向へしか転がっていかないのです。事実は事実として認め、推測や憶測は認めないことをはっきりと伝えなければ、取り返しがつかなくなります。
  大阪地検特捜部の証拠隠滅事件は、今後事実が明らかになるのでしょうが、おそらくこの2人は否認を続けるでしょう。それが最善の方法だからです。
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