問 私は社交的ではないので、今の職場に友人がいません。仕事は自信があるのですが、孤立しているので情報を知らされない場合があります。また回りから皮肉や悪口、嫌がらせを受けています。
上司はこの事を知らないようです。どうすればいいのでしょうか?
答 あなたはモラル・ハラスメントの標的になっているようです。
こうした精神的暴力は、はっきりと攻撃とは分りにくいのです。
しかし皮肉や悪口、仕事上の嫌がらせ、情報を知らされないということは、一種の人権侵害であり、虐待なのですが、なかなかそうと判断しにくいし、自分が社交的でない性格に問題があるかのように錯覚します。
しかし言葉や態度で精神的・心理的に人を傷つけていくのは「モラル・ハラスメント」であり、それは犯罪にも匹敵する人権侵害であり、フランスなどでは実際に犯罪だということで法律が制定されています。
あなたがするべき事は証拠を残すことです。ICレコーダーを購入して相手の発言を記録するようにします。またうつ病になっている場合は診断書を取り、休養が必要な日数休むようにします。
証拠の録音をパソコンに残しながら、相手がなぜそのような発言をするのか分析していきます。
加害者が、あなたに自分を脅かすと感じるような危険を感じて攻撃しているのか、それとも他に理由があるのか分析して下さい。「モラル・ハラスメント」は、皮肉や悪口から無視・威圧によるコントロールへとエスカレートしていきます。こうした人達は対人関係を力関係で捉えるので威圧するのです。
証拠が集まると、次はこの「モラル・ハラスメント」を上司や加害者以外の同僚に相談し、公然化することです。
上司が指導に動かない時は、上司の上司すなわち部長に相談して下さい。
労働契約法第5条は「使用者は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定められており、これを「安全配慮義務」といいます。
したがって相談を受けた上司は加害者に注意し、教育し、または配転するなどして問題を解決する義務があります。
それでも解決できない場合は、あなたがユニオンに加入して、団体交渉で経営者に問題を解決するよう求めることもできます。
「モラル・ハラスメント」の標的になると精神的に消耗しますから我慢せず、証拠を残した上で、公然化し反撃に出る必要があります。
特に加害者が上司である時は解決が難しいので、ユニオンに加入して指導を受けるようにして下さい。
リストラ時代には、同僚をいじめ退職に追い込むことで自分を守ろうとする人も出てきます。
会社組織は階級社会です。したがって職場は権力的支配の場であり、この権力は濫用される事が多いのです。だからこそ現在の日本の職場では何十万人ものうつ病者がいる事態となっています。
精神的暴力に屈して退職するのはトラウマを抱えることになり精神衛生上よくありません。
勇気を出してユニオンに加入して解決を目指して下さい。
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