問 同僚が各課の編成変えの際に名前がどの課にも載っていないという仕打ちを受けて、いたたまれず辞めて行きました。私もいつそのような仕打ちを受けるか分かりません。この様な場合どう対応をしたらいいのでしょうか?。
答 退職強要の手口で一番多いのが、上司が「あなたのする仕事が無い」と主張して、人事部の片隅に「人事部付」として机を置いたり、ひどい場合は隔離室に入れたりします。また“草むしり”をやらしたりします。
また「自宅待機」や「出勤の差止め」と称して仕事を取り上げ出社させない例も増えています。こうした手口で実際に泣き寝入りし、辞めていく人がいるので、会社が“やり得狙い”でこうした手口が増えているのです。
あなたの同僚の名前が各課の編成名簿から抹消されたのは、「辞めろ」と言わんばかりの嫌がらせです。
このような場合はICレコーダーで隠し録りの準備をした上で上司に(もしくは人事部長に)「編成名簿から私の名前が抜け落ちているので訂正してほしい」と申し入れて下さい。会社側の「あなたのする仕事がない」「辞めてほしい」と発言することを記録することが重要です。
また「なぜ辞めなければならないのか?理由を説明してほしい」と食い下がって、話を聞き出し、証拠を録ることが重要です。退職勧奨から退職強要へと違法なレベルまで我慢して証拠を残すようにすることが重要です。
次に、社長宛内容証明郵便で、名簿抹消と、それに対する抗議への上司や人事部長の発言など、この間の経過を記入して「私に対する退職強要は認められない」旨書き、仕事を取上げる不当な嫌がらせを辞めるよう要求して下さい。
そして以前から自分が勤務してきた課に元どおり配属するよう求めてください。内容証明は裁判で証拠になります。(この場合の内容証明は、ICレコーダーで十分に証拠を取った上で行うようにして下さい)
社内の編成変えの名目で仕事をはずし、退職を迫るのは卑劣な手口です。労働契約は労働者と会社との対等の立場で結ばれた雇用契約であり、十分な説明もせず名簿から抹消することで、雇用契約が一方的に解消できるものではありません。会社はいざとなると「単なる事務上のミス」で逃げることができる手口で、事実上退職強要(退職勧奨)をしていることになります。
このような手段を用いる会社で働く人は、常日頃から上司の話しを記録しておくことが必要です。また自分の勤務時間や仕事の内容をきちんと記録し、いかにこれまで真面目に働いてきたか、証明できるようにしておくことも重要です。
会社に違法な退職強要をやらせるだけやらせて、証拠を積み上げ、会社が不当解雇した時点で地位の確認の裁判(本訴)を争うのがいいでしょう。退職強要が違法なものであった場合は慰謝料も請求できますし、解雇から原職復帰までの賃金(バックペイ)も取れます。
この闘いで重要なことは、①違法解雇まで退職強要に耐えること②証拠を残していくこと、この2点です。
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