新世紀ユニオン発行のニュース

原職復帰を勝ち取りました!

 私は平成22年6月まで○○業の卸し会社で営業員として勤務しておりましたが、不当解雇され原職復帰を求め提訴し、この度和解が成立致しました。
 その和解内容とは、(1)解雇は無効として原職復帰する。(2)平成22年7月以降の未払い給与を会社側は支払う。(残念ながら全額ではありませんが、ほぼ私の希望に近い割合でした。)が主です。和解とは言え判決勝訴に近い内容で、この一年間の苦労が報われました。
 思い起こせば、平成21年11月頃、私は役員であり直属の上司でもある専務より退職勧奨を受け始めました。当時、ある得意先の若手担当者が頼りないので、そのフォローを任されていました。私が同行するようになって得意先からのクレームはなくなり、会社としてもその成果を認めていたのですが、ある時期、得意先の意向により納入物品の入札があり、その結果、多くの物品を他業者に落札され売上を大きく落としたのです。自社の入札金額について最終的には専務が承認したにもかかわらず、あろうことか専務は、入札に負け売上が減った原因をそもそも私の普段の営業内容に問題があったからだと言い出し、退職を迫ってきたというのが今回の事の始まりです。
 もちろん私とすれば、まったく不当な退職勧奨理由であり、どうにか闘う術はないかとインターネットでいろいろと労働問題について調べました。そこで初めて個人で加入できる労働組合があることを知り、この新世紀ユニオンに相談したのです。
 ユニオンへ加入後、まず委員長からアドバイスをいただいたのは闘いに備えての証拠集めでした。そしてその主となったのが退職勧奨を受けている現場の録音でした。
 ICレコーダーは持っていませんでしたが、私の場合、携帯電話がスマートフォンであったため、レコーダーのアプリケーションを入手し使いました。それは性能的にも後で十分聞き取れるレベルでした。
 その後、退職勧奨で社長や専務に呼び出される頻度は日増しに増え、最後の方は罵声も浴びせられ、勧奨と言うより強要といった状況でした。もしあの時、ユニオンにも加入していなかったら、無知なばかりに泣き寝入りしていたこれまでの多くの労働者同様、私も根負けして自ら辞表を出していたでしょう。
 しかしユニオンからのアドバイスを受けていた私は、会社側の態度が高圧になればなるほど彼らの主張は矛盾の度合いを増し、この録音内容は後に裁判に持ち込んだ際、決定的な不当解雇の証拠になるぞ!と内心思いながら過ごしていましたので、本来なら苦痛である上司との密室での時間をむしろ余裕さえ持って臨むことができました。
 結果、私は負けることなく、自ら辞めるという意思表示をしなかったため、シビレをきらせた会社側は決算月である6月にどうしても私を排除する事を優先し、ついに解雇したのです。
 直後、委員長にアドバイスを受けながら郵便の内容証明を使って、今回の解雇理由についての質問を何度かやり取りしました。会社からの回答はちぐはぐなその場しのぎのような内容で、これらも後に不当解雇である証拠となりました。そして裁判で闘う証拠が出揃ったところで、ユニオンより雇用問題に精通した弁護士を紹介していただき、平成22年9月に提訴したのです。
 裁判は平成22年11月よりほぼ月一回のペースで行われ、平成23年6月の和解成立まで計8回行われました。もちろん私にとって初めて経験であったわけですが、原告の訴えに対し、翌月の裁判で被告が反論、そして更に翌月原告が反論といったペースに、裁判というのは時間のかかるものなのだなぁとつくづく思いました。
 これが一年続くのか、一年半続くのか、見通しの立たない時期はなんとも言えない悶々とした気持ちになることありました。ただ私の場合多くのお力を借り、委員長をはじめ新世紀ユニオン組合員の方々や弁護士先生はもちろんのこと、妻が精神的にも経済的にも支えになってくれましたので、心を落ち着けて日々を過ごすことができました。
 裁判の準備として、自身で一番たいへんだったのは録音した会話の文字起こしだったでしょうか。退職勧奨の回数も多く一回あたりの時間も長かったので、その作業に追われた日々はかなり疲れましたが、後にこの苦労は報われる結果となります。
 双方の主張・反論も終わり、陳述書も提出された5回目の裁判の時です。次回はいよいよ証人尋問かと思っておりましたら、その前に裁判官より和解の意思確認がありました。私は知りませんでしたが、裁判所はなるべく判決ではなく和解での成立を導くのが常だそうで、私とすれば原職復帰が叶うなら、それはどちらでもよい話でした。
 意外だったのは、会社側も復帰を検討すると応じたことです。裁判官と被告弁護士との間でどういった会話が交わされたかは知りませんが、判決にまで持ち込んでも会社側が不利であったことは間違いなかったでしょう。
 そのひとつの要因は、苦労して反訳した不当解雇を裏付ける録音証拠だったはずです。これが無ければ双方の主張はお互い決定的証拠のないまま、言った、言わない、の水掛け論に終始し、会社側も悪あがきをし続けたことでしょう。時代劇じゃありませんが、悪を裁くには“遠山桜”のような“動かぬ証拠”があれば、まだまだこの日本という国では正義が通じる事を、今回身をもって体験しました。
 いよいよ数週間後には原職復帰し、元の生活に戻ります。復帰後、もしかしたら会社側はまた違ったやり方で、私を不当に扱うかも知れません。雇用されている以上、誰もがそのような不安から逃れることはできませんが、そんな労働者のためにユニオンは存在しているわけで、これからも私は組合員として、時には助けられ、時には人を助け、決して独りではないことを心の支えとし、労働者としての日常に戻っていきます。
 最後に、私の今回の事例が今闘っている皆さんの励みなれば幸いです。
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