問 私は健康指導の仕事をしています。会社には「社員約定書」という委託契約書をわたされており、会社のチーフから仕事を割り振られています。
私は入社以来仕事のことでチーフから電話やメールで指示・命令されて、報告書の作成など1つ1つ指示命令されて仕事をしています。
チーフの命令は、最初は仕事の指示・命令でしたが、しだいにハラスメントになり、最近は嫌がらせで「解雇するものには仕事を配分できない」と言われ、今年に入って賃金収入が大幅に減少しています。
またハラスメントでうつ病になり、だんだん仕事をすることが不可能になってきました。
自分が労働者なのか?それとも個人事業主なのか、法律上の地位がわからず、ハラスメントをどう解決してよいかもわかりません。うつ病の診断書は医師からもらっています。
会社に訴えても「会社に必要なチーフなので」と言ってハラスメントを容認し、取り上げてくれません。私はどうすればいいでしょう。
答 最高裁第3小法廷は、4月12日個人事業主は「労働組合法上の労働者」に当たるとの判断を示しました。
質問の内容ではあなたは一社専属の「委託契約」であり、その社員であるあなたは「個人事業主」ではなく、賃金は労働者並であり、しかもあなたはチーフからの具体的な仕事上の命令や指導・指示が継続的におこなわれており、明らかに労働組合法上の労働者に当たります。しかもパワハラでうつ病になり、収入が減少しています。
したがって仕事が減少した分、及びうつ病の治療費分、休業中の賃金について会社に請求し、チーフと会社双方に慰謝料を請求できます。
ユニオンに加入して団体交渉で解決をめざすが、裁判になるかは選択の余地がありますが、パワハラの被害はきちんと請求すべきです。
具体的な証拠を用意して下さい。メールや診断書、通話記録、陳述書などを準備し、内容証明郵便でチーフの嫌がらせで収入が減少した分、治療費、休業中の賃金、慰謝料を請求し、10日以内に支払うよう求め、支払わなければ裁判に訴えることになります。
団体交渉の場合は、会社が「労働者ではない」として団体交渉を拒否し、結果地労委で争わなければならず、入口で時間がかかる可能性があります。
解決を急ぐ場合は簡易裁判所の調停、もしくは民事裁判・労働裁判で争う方がいいでしょう。
この会社のように「委託契約」という形で雇用関係を隠ぺいし、請負を偽装しながら、チーフの指示・命令下で仕事をしている場合、仕事の配分を決定するチーフが権力を独占することになるので、パワー・ハラスメントが発生するのです。
しかも会社がそれを知りながら「会社に必要な人だから」とハラスメントを容認し、解雇を口にするとは不当であり、会社には解雇権の濫用と労働契約法上の安全配慮義務違反の責任を追求すべきです。
絶対泣き寝入りしてはいけません。当ユニオンに加入して闘うようにして下さい。
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