「ユニクロ」を経営するファーストリテイリングは、靴専門店の「キャンディッシュ」全約90店を2011年中に閉鎖することを発表した。2005年頃から、ビューカンパニー社他を買収し参入した靴専門店は大失敗に終わることになる。米国GAP社の真似をした製造型小売業(SPA)は、国内の靴事業では通用しなかった。
ユニクロの経営手法は、中国の安価な労働者と日本のパート、アルバイトを酷使、人件費を極力抑え、利益創出を狙うものである。ユニクロではフリースやヒートテック等がたまたまブームとなったが、靴事業部ではヒット商品が生まれなかった。自社開発の靴は形も色彩も全く洗練されておらず、店員が売れない・売りたくないというレベルであった。
ユニクロシューズ発売当初は爆発的に売れたものの、リピーター客がつかず、今1000円以下で投げ売りされている。
買収される前は、商品力と接客力で勝負していたビューカンパニー社等の固定客は、「ユニクロになってから安物ばかりになってしまった。」と嘆く。ファーストリテイリングに買収された会社の社員はリストラの対象となり、ハラスメントを受け「自己都合退職」させられるのは時間の問題であろう。
さて、ファーストリテイリング社では2012年からの社内の英語公用語化に向け、従業員に英語学習を強制している。
ベルリッツ社のインターネット上の学習サイトによる自習と、講師によるマンツーマンの電話講義を受けなければならない。
電話講義は9割近くの社員が予約したがらず、人事部が勝手に予定を埋めているのが現状であり、自習プログラムの方も進捗度は低い。
明らかにファーストリテイリング社の経営方針に基づく教育ではあるが、学習場所は自宅に限られ、残業手当の類は一切支払われない。パソコンはレンタル出来るが、インターネット接続料は個人負担である。最終的に課されたノルマを達成できない場合、ベルリッツの学習プログラム受講料さえも自腹となる。
買収した会社を数年足らずで潰しておいて、店員の100倍近くの報酬を貰う会長に従業員は搾取され放題であるのに、誰も労働組合を結成としないのは残念である。今、マスコミで持てはやされているユニクロならば組合を結成すれば取材も見込め、ユニクロに反感を持つ方々からの支援も期待できるので得である。ユニクロの従業員は、「組合は作らない」という誓約書にサインしていたり、店長は管理職なので組合に加入できないと騙されているかもしれないが、まずは新世紀ユニオンに加入し、労働条件を見直すことから始められたい。
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