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労働条件の切り下げについて

 労働相談で一方的に会社に減給された、とか一方的に降格減給された、という相談が多いです。以下にこの問題の要点を述べます。
(1) 労働条件は労働者と雇用主である会社との合意に基づいて決定されるのが原則です。(労働契約法3条1項)つまり労働者の同意を得ない労働条件の切り下げは違法だということ、したがって労働者は切り下げ前の労働条件で給与の支払いを求めることができます。
(2) 労働条件の変更は、その内容が合理的でなければならず、労働者の合意は労使対等な立場でなされなければなりません。(労働契約法1条・3条1項)そのためには労働条件変更にあたって会社は労働者の理解促進措置を十分におこなう必要があります。
(3) 会社が就業規則の作成・変更で労働者の労働条件を不利益変更した場合は、労働者と合意することなく変更できないという原則(労働契約法9条)を思いおこすこと。
 ただし、就業規則の変更が合理的であり、変更後の就業規則が労働者に周知されている場合には、例外的に就業規則の変更によって不利益変更ができるので注意すること。この場合周知されていない就業規則は無効であるので、この点の証拠を残すことが重要となる。就業規則変更による不利益変更の場合は法律上の必要な手続きが取れているかが重要となる。
 この時過半数労組がない場合は「労働者の過半数代表者」の意見を聴かなければなりません。この過半数代表者は、管理監督者(労基法41条2号)は労働者代表にはなれません。
 また労働者代表の選出手続きは、投票とか選挙等の方法でなければ、代表選出が適正におこなわれたとは言えませんので、この点をチェックすることが重要です。
 就業規則の労基署への届出も確認するべきである。
 労働契約法10条は、就業規則の変更による労働条件の不利益変更が例外的に有効であるための要件として「変更後の就業規則を労働者に周知させ」ていることを定めています。
 この場合の周知とは以下の通り
・就業規則は常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること
・就業規則を労働者に交付すること
・パソコンで労働者が常時確認できること
 以上の3点のうち、いずれか一つがなされていない場合は、周知されていないことになり、労働者は変更後の就業規則に拘束されません。
(4)不利益変更の合理性の基準
 判例では合理性が認められない限り労働者は変更後の条項に拘束されません。(秋北バス事件最高裁判決)
 この合理性の基準については以下の点が重要なので注意して下さい。
・労働者が被る不利益の程度
・使用者の側の変更の必要性と程度
・就業規則の変更内容の相当性
・代償措置としての他の労働条件の改善状況
などが合理性を判断する規準となります。
 以上の点を頭に入れてから労働条件の変更と就業規則の不利益変更について、会社から十二分に説明を求める必要があります。
 この時に会社が説明しなければ理解促進措置が取られなかったことになります。
 以上、簡単に労働条件の切り下げについてのポイントを説明しました。
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