問 電機関連の従業員700人の会社で働いています。私は先日上司より退職勧奨を受けました。退職は断りましたが、移籍先を探す会社に行き、次の仕事を探すことを受け入れてしまいました。
私は今の会社で働き続けたいと思っていますが、移籍先を探すことを受け入れたのはまずかったでしょうか?
なお、会社が赤字なのかはわかりません。また会社全体のリストラの目標数など詳しいことは公表されていません。私はどうすれば雇用を守れますか?お教え下さい。
答 普通希望退職を募集する場合会社は詳しい経営状態を開示し、希望退職募集の人員と割増退職金の月数を公表して、その上で対象者との面談をして行くことになります。
ところが、あなたへの退職勧奨は、経営状態の開示がされておらず、したがって退職勧奨の経営上の必要性も明確ではありません。
また、退職に応じた場合の条件も明らかではありません。また、あなたがなぜリストラ対象者に選ばれたか? 人選の基準も明らかではありません。
したがって「私は辞めるつもりはありません」と明確に断ることが重要です。
あなたが移籍先探しを受け入れたことは、事実上退職を受け入れたことですので、できるだけ早く書面で「移籍先探しは本意ではないので取り消します」と断ってください。また会社に対して以下の点について質問状を出してください。
(1)リストラの経営上の必要性を開示すること
(2)リストラの目標数を開示すること
(3)希望退職募集の条件を明示すること
(4)人選の基準について開示すること、期限を切って回答を求めてください。
今後上司との面談はICレコーダーで記録してください(隠しどり)証拠を残すことが雇用を守る上で重要なことです。
最近の希望退職募集の場合、多くは移籍先の会社を探す企業に出向の形を取り、期限を切って職探しをさせます。
今は仕事が少ないので移籍先がないことはわかっています。しかし、この「移籍先探し」が「解雇回避の努力をした」という会社のアリバイ作りであり、整理解雇の口実となるのです。
したがってあなたは、整理解雇の4要件(新世紀ユニオンのリストラ対処法を参照下さい)を検討しておく必要があります。簡単に説明すると(1)人員整理の業務上の必要性(2)解雇回避措置(3)整理解雇基準と人選の合理性(4)労働者への説明義務の4要件です。
会社が赤字で経営危機なら整理解雇があり得るでしょう。
しかし希望退職募集ではなく個別に退職勧奨を行っているのなら、会社は赤字ではないのかもしれません。調査が必要です。
あなたが会社のリストラの標的になり、移籍先(もしくは出向先)探しを事実上受けてしまったことは性格的な弱さが表れたものと言えます。
今ならそれを取り消すことが可能と思われます。当ユニオンに加入し、継続的指導を受ければ雇用を守ることが十分可能です。当ユニオンへの加入をお勧めします。
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