問 私は、会社との残業代請求等のトラブルで体調を崩し、有休を消化して休んでいる間に解雇通知が送られてきました。
有休で休むことも、診断書も提出していました。就業規則では「私傷病の欠勤が3ヵ月を超えたとき、1年以内の休職となる」と書かれています。
会社は有休が無くなった後の傷病手当金の手続きもしてくれません。そのため生活が窮迫しています。
解雇理由には「事業縮小のため」と「勤務態度不良」と書かれています。私はこれまで上司から勤務態度について注意を受けたことはなく、成績もいい方です。
残業代を払わず、その反撃としての解雇は正当なのでしょうか?
答 残業代を請求した報復解雇のように見受けられます。会社はあなたが残業代を請求しただけでなく、有休を取得したことが気にくわなかったのでしょう。しかし解雇理由は「事業縮小のため」となっていますから、整理解雇の4要件に基づいて検討する必要があります。
現実に残業代が払われておらず、会社とのトラブルで体調を崩し、有休をとっていたのですから、口実は整理解雇であっても実際には残業代請求に対する報復の解雇と見ていいでしょう。
一般に傷病による欠勤を理由とする解雇は、休職期間満了時点で復職が困難な場合おこなわれます。本人が復職を申し入れても復職を認めず解雇する例が多いのです。
あなたの場合は、有休を取得中に解雇されたわけで、会社は労働基準法違反となるので、あたかも整理解雇であるかのように装っているのです。
会社が「事業縮小のため」と言うなら、解雇の当事者であるあなたに会社の事業内容と解雇の必要性について、また人選の基準について説明義務があります。ところがそのような説明もなく、傷病で休んでいる間に会社都合の解雇を一方的に通告するのは明らかに違法解雇です。また有休がなくなった後の傷病手当金の手続きもせず、就業規則に違反して解雇を通告するとは不当と言うしかありません。
解雇の真の理由は残業代を請求したことであるのは間違いないでしょう。「事業縮小のため」解雇するなら、割増し退職金の金額提示や、本人に対する説明義務を尽くすべきであり、そのどちらも行われていないのですから整理解雇は偽装と見るべきでしょう。
推測するなら、会社はあなたの収入を断つことで、残業代の請求や解雇の裁判を争えなくしようとの狙いがあるので、傷病手当金の手続きをしなかったのでしょう。
解雇理由のうち「勤務態度不良」が何を指すのか不明ですが、これまで注意や指導を受けたことがなかったなら解雇理由とはなりません。会社に具体的に何を指すのか質問して証拠に残すべきです。
会社は残業代の請求をうやむやにするため、あなたの傷病をチャンスとばかり解雇したのです。
会社が傷病手当金の手続きをしなかったのが「兵糧攻め」であるなら、退職金を支払わない可能性があります。
診断書が提出され、有休が無くなれば普通は傷病手当金の手続きをします。就業規則に違反して残業代を払わない会社が、就業規則に基づいて「勤務態度不良」を理由に解雇するとは呆れてものが言えません。
裁判で闘って勝利を勝ち取るべきでしょう。
スポンサーサイト