今アメリカが最もその動向を危惧しているのは、核開発を進めるイランや軍事的拡張主義の中国ではない。すでに核を保有しミサイルを開発しているパキスタンの動向が、実はアメリカが今最も危惧していることである。
この間のアメリカとパキスタンの関係を見ると、昨年5月パキスタン領内のアホタバードで米軍の特殊部隊がパキスタンに無断で軍事行動を行いウサマ・ビンラデンを殺す軍事行動を行った。この結果パキスタンの主権を侵害することとなったことで、パキスタン軍内部に反米の傾向が強まり、親米のザルダリ大統領の立場が悪くなった。
この直後ザルダリ大統領がアメリカ政府に「軍事クーデターの起きる可能性がある」として「介入」を求めたとの疑惑が浮上し、国民の中に反米感情が強まったと言われる。昨年11月26日にNATO軍のヘリによるパキスタン国境部隊誤爆事件で28名のパキスタン兵士が殺された事で「主権侵害」に反発するパキスタン軍が強硬姿勢をより強めた。
パキスタン軍はアメリカ軍が使用していたシャムシ飛行場の使用を禁止したのでアメリカは無人攻撃機の運用ができなくなった。またパキスタン軍はアフガニスタン駐留米軍への補給路を封鎖した。米軍は現在空輸と北部補給路(ウズべキスタン側)でしか補給ができなくなった。
現在親米派と見られていたパキスタンのザルダリ大統領は力を失い、事実上パキスタン軍が全権を掌握していると見られている。パキスタン軍と中国が関係が深いので、今後アメリカのパキスタンへの介入があり得る事態となっている。アメリカのアジアでの対中強行姿勢、およびイランへの強硬姿勢は、実はパキスタン情勢を睨んだ動きでもあるのだ。
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