問 私は今会社からパワハラを受けています。職場で足を蹴られたり、机の引き出しの中の書類が席をはずした間にハサミでズタズタに切られたり、さまざまな嫌がらせを受けています。昨年秋のリーマンショック以来会社の受注が減少し、人員が過剰となる中で私に対する会社の対応が一変しました。
現在私にはするべき仕事が無い状態で、客回りもさせてもらえず、いつ解雇になるか不安で、四月にはうつ病で倒れるなど精神的に参っています。どう対応すべきか教えてください。なお就業規則は見たことがありません。
答 上司の嫌がらせはパワーハラスメント(パワハラ)と言われています。パワハラの労働局への労働相談が年間35907件にも増えています。新世紀ユニオンへのパワハラの相談も急増しています。
パワハラの急増は昨年秋以降の不況の深刻化の中で進んでおり、整理解雇すると割増退職金が要るので、嫌がらせで自己退職に追い込もうとの企業の姑息な考えから増加しているのです。
職場におけるパワハラには、仕事上のミスを取り上げて叱責するもの、暴力で屈服を迫ったり、数々の嫌がらせで精神的に追い詰めるものなど、さまざまあります。
上司の変質者的性格からなされるパワハラもあれば、自己退職狙いの使用者意思としての組織的ないじめもあります。このような使用者の意思を受けた管理職や同僚が結託して人格権侵害行為を行ってくる場合は不法行為責任(民法709条)債務不履行責任(労契法5条等)を問う事になります。
使用者が行わせているとは評価できない場合でも、同僚らの嫌がらせには不法行為の使用者責任を問う事になります。したがってあなたは第一に新世紀ユニオンに加入する事(組織的準備)第二に証拠を残す事、暴行をきちんと記録し、会社幹部にメール等で報告する。分からないようにICレコーダーで録音する。ハサミで切られた書類を写真に取る。あなたの場合は解雇が来る可能性も有りますから、証拠を残す事が重要です。
またうつ病で倒れたなら医師の診断書を必ず取る事、診断書どおり休む事が重要です。会社に診断書を提出する時には写し(コピー)に受け取り印をもらう事、また一連の経過を手帳やノート(日記)に記録しておく事が重要です。
暴力が繰り返される場合は刑事告訴をすること(証拠が必要)パワハラによりうつ病になったのですから、労災認定の対象となります。申請手続きをして下さい。不法行為等による損害賠償請求訴訟も検討すべきです。人権侵害については弁護士会人権擁護委員会への救済申し立てを検討すべきです。こうした対応で重要なのは証拠です。ユニオンの指導を受けながら創意工夫する必要があります。
なお就業規則については会社に請求する事、それでも見せてくれない場合は所轄の労働基準監督所に行きコピーをする事が出来ます。相談者の場合は退職強要としてのパワハラであるので、これが通じないとなると解雇もあり得るので、証拠を出来るだけ残すように全力を尽くして下さい。
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