新世紀ユニオン発行のニュース

残るも地獄か…去るも地獄か…

-震災後の就職活動記-
<前書き>
 私は2010年夏に会社ぐるみのパワハラに遭い、労働災害申請中に解雇され、昨年初頭に納得の行かない形で会社との調停が終わって以降、現在まで再就職活動を行っております。
 以下に、私の実体験及びその時に感じた求職活動時のポイントに関して記します。
<求職活動記録>
 私が本格的に再就職活動を開始した時期は皮肉にも東日本大震災の起こる一ヶ月前からで、震災直後は震災前とは比べ物にならない位に求人数が激減しました。しかし震災後1ヶ月を過ぎると中小企業の求人数は、大企業のそれを尻目に比較的堅調に回復しました。
 私が就職活動に利用した手段は、(a)インターネットの就職サイト、(b)民間の斡旋会社、(c)ハローワーク、(d)人材銀行、(e)民間企業のキャリア登録制度、(f)知人の紹介(コネ)、でした。以下にその概要を記します。
 (a)、(b)及び(e)は、上述したように大企業が中心である事より、なかなか求人数が回復しない上、自分の意中の企業を見つけたとしても、競争相手も多くなかなか書類選考通過までは至りませんでした。だから私は複数の斡旋会社(会社の得意分野も考慮し、規模等に応じて約10社)に、複数の就職サイト(全国版及び地域版)を通じて登録を行い、週1度更新される求人情報にアクセスし、積極的に斡旋会社に紹介依頼のmailを送信しました。
 (c)は、求人企業数は多いですが、失職者が利用する一番身近な手段であるため、一人の求人に対し数十人の応募がある事はザラです。しかも10人以上の企業では必要である就業規則が無いと堂々と謳っている企業も多く(特に派遣業)、給与や休日等の条件にに惑わされてしまわないように気を付ける必要があります。この点に関しては、公的機関であるハローワークがチェックする必要があるのですが(如何に「ザル機関」であるかがこの点でも明白です…皮肉にも頼らざるを得ないのが現実ですが)。
 (d)の登録条件は、「40歳以上、且つ専門的知識や管理職(マネージメント)経験のある方」なので、(c)と比較するとかなり落ち着いて求職検索及び企業紹介もしてもらえます。登録している企業は(c)と結構似ていますが、条件を限定して応募しているため、企業側としてはこちらからの応募者を優遇している印象があります。応募人数も限られてきますが、やはり条件の良い企業になると応募者も増えます。私はここでかなりの件数の企業を紹介してもらい面接にも複数社行きましたが、採用には至りませんでした。自己分析では、同じような条件の人材の場合、通勤距離(交通費の支払い)がネックになったと思われます。
 (c)及び(d)で共通して感じたのが、人材に対する投資の収縮です。金融危機による円高(政府の国際的信頼の低下)の影響か、タイの洪水の影響か、昨年10月過ぎから派遣や契約社員と言った非正規労働の求人が急激に増えた印象があります。当然の事ながら正社員での就職を探していても検索ではなかなか見つからない状況が増えました。
 失職期間の長期化及び資金面の枯渇(生活保護は受けたくなかった)を懸念し昨年末頃には、昔の会社の上司(某大手企業OBで、元事業部長クラスの方)に、いわゆる「コネ」による就職斡旋も試みました。しかし、今の雇用情勢ではこのような方のコネが使えないという結果でした。
 一番面食らったのは前の会社の根回しでした。私のキャリア面から考えて一番の近道は同業他社(但し他分野)への就職だと考え、複数社応募しました。当然ながら書類審査はあっさり通過するのですが、面接内容は、私に罵詈雑言を浴びせるが為に呼びつけたとしか思えない内容でした。しかも明らかに前の会社の根回しが有ったと思われる内容で。「あの会社はどこまでドス黒いのか…」、と怒りを通り越して呆れ返りました。
 そうして紆余曲折がありながらも、つい先日某市の小さな会社から、内定連絡を頂きました。ここまで辿り着くのに生活維持のためのアルバイトの面接約130件、正社員の面接約60件に応募しました。今改めて数字を見ると我ながら「よく続いたな…」という気持ちと「もう二度とこんな思いは…」との二つの思いが有ります。
 しかし今回の採用は「幹部候補採用」なので、試用期間の3ヶ月で適性を見極められ、問題なければそのまま本採用、ダメなら再度就職活動をしなければなりません。この契約自体は適法(委員長に確認済)で、この会社は過去にも複数名この形態で採用しているとの事でした。上記の会社の金銭面を含めた条件を委員長にお話しすると、「今時それだけの金銭条件を提示してくれる会社は少ない」との事でした。とにかく試用期間中に自分の持っている能力(管理能力含む)を発揮して、真の意味での「再就職」を果たしたく思っています。
<失職時の就職活動心得(経験者より)>
 もし、私のように失職状態で再就職活動を行う場合、経験した者として、参考までに注意した方が良いと思われる事を列挙しました。
1) 職務経歴書の見直し
 これは随時(最低でも月一度程度)行う事をお勧めします。人が作成するものですから、今日作成した経歴書がベストとは言えないはずです。数日経って見直す事により、「粗」も見えてきます。その都度見直せば、徐々に第三者が見て「目を惹く分かり易い」経歴書が出来ると思います。後、ハローワーク等を利用して第三者に見てもらうのも一つの手です。失職状態の場合、「退職後の活動」を必ず、具体的に記述して下さい。これが有るか無いかで職歴の空白期間のマイナスポイントを多少なりとも緩和する事が出来ます。
 実際に上記の方法で、当初は書類の通過率も2割位だったのが、昨年10月以降は書類審査落ちが3割程度にまで改善しました。
2) 情報はアナログとデジタルの両方
 最近はネットを使用すれば多くの情報を得られますが、仕事は最終的には「ヒト対ヒト」で行うものである以上、斡旋業者のコメントや知人の口コミ(コネ等を含む)等のアナログ情報がより重要な情報源になります。デジタル情報は珠玉混合で、かつ多くの人が知りうるオープンな情報ですが、アナログ情報は尋ねた本人にしか開示されない情報ですので非常に貴重です。当然ながらネットの活用で貴重な時間を有効に活用する事も重要です。
 例えばハローワークでは一度求職登録すれば自宅のPCから求人検索が可能ですし、同じ厚生労働省の所轄の「仕事情報ネット」に自分の希望する就業条件を登録しておけば随時閲覧可能です。ハローワークは昨今の雇用状況を反映して終日非常に混雑しており、検索と企業紹介だけで一日潰れる事も往々にしてあり得るので、事前に自宅で応募企業の確認を行って来所して企業を紹介してもらう手段を取れば、「待ち時間」を大幅に短縮する事が可能です。
3) 外部との接触を大切に
 失職状態の時は、金銭面を含めて色々とマイナス面がある為、どうしても自分の殻に閉じこもりがちですが、どんな形であれ意識して少しでも良いですから外部との接触を行って下さい。外部との接触により思わぬヒントを得る事もあります。
4) 最低週一度は休む
 早く再就職を果たしたいのは誰も同じです。だからアルバイトを考慮しても敢えて休憩日を設けて下さい。現在の就職活動は長期戦の覚悟が必要です。力を入れる日と休憩する日を区別して乗り切る必要があります。また精神的に滅入ってしまう時期もあると思います。その時は思い切って数日休んで、折れそうになったりしている気持ちに「リセット」を掛けて気持ちを切り替えるのも一つの手です。
5) 開き直りも必要
 4)と内容が重複しますが、失職期間が長引くと精神的に非常に焦ります(私もそうでした)。その場合は、「最後は生活保護を貰えばなんとかなるさ」位の開き直りも必要です。焦ってばかりでは冷静な判断力を失い、それが更なる活動の長期化につながる可能性があります。
6) 資金面対策は確実に、3ヶ月先を見て
 資金に関しては就職活動時の大きな懸念点ですので、心理的プレッシャーを最小限にするために、3ヶ月程度先を見て動いておく事を勧めます。私は解雇予告通知を受けた直後に労働金庫のキャッシングローン(年利4%弱…在職中のみ可能)で融資してもらい、更に失職後数ヶ月後に資金が底を尽きる事が予め分かっていたので、ハローワークに相談に行き、以下の順序で資金補助及び融資の手筈を整えました。それでも八方塞がりになりそうだったので、確定拠出年金を脱退して資金を捻出しました(老後より今生活出来なければ意味が有りません。しかも元本割れする年金に預ける理由など有りませんので)。以下に一部の概略を記しますが、不正受給等の問題から年々審査条件が厳しくなっているので、最新情報は最寄のハローワークか市役所に尋ねる事を勧めます。
① 自治体の住宅(家賃)補助制度
 これは賃貸の場合、月額最大42,500円(単身の場合、自治体や家賃によって異なる)を6ヶ月、延長した場合最大9ヶ月自治体から補助してもらえます。但し月2回、所定の用紙に就職活動の実績を記入し報告する必要があります。
② 自治体の再就職のための融資制度
 私は①の期間が終了しても就職先が見つからなかったので、最寄の社会福祉協議会で題記融資を依頼しました。概略は単身の場合月額最大150,000円(申込み時点でのバイト収入や負債額にも考慮される)が6ヶ月間、金利が年1.05%(保証人を立てない場合、立てた場合金利なし)、延長した場合最大12ヶ月融資してもらえる制度です。但し延長に関しては大都市圏ではないものと見たほうが良いです。ちなみに大阪府及び兵庫県は申請者数が昨年現在それぞれ全国1番、2番で、不正受給も多いため延長はありません。
<最後に>
 今、この記事を読んでいる方の中には、会社から様々な退職勧奨を受け、「このまま辞めてしまおうか…」と思っておられる方も、私と同様に失職状態で再就職活動をされて居る方もおられると思います。現在の雇用情勢はタイトルが示す通り、正に「残るも地獄か…去るも地獄か…」です。
 もし現職に就かれている方が転職を考えるのであれば、残る事が心身的に辛いのは承知ですが、現在の状態で職を見つけ、そして移られる事を勧めます。やはり定職のある状態が様々な面で有利である事には違いありませんので。また私のように再就職活動を行っている方も必ず見つかるはずですので、上手にONとOFFを切替えて、新たな働き口を見つけて欲しく思います。
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