15日アフガニスタンの首都中心部でイスラム武装勢力タリバンの軍事攻勢が起きた。同時に南部の刑務所が150人以上の武装勢力の襲撃を受け政治犯384人が脱走した。
日本大使館にもロケット砲が数発着弾し、2日にわたり首都中心部は市街戦が闘われた。タリバンのスポークスマンによると、春の攻勢の始まりだとし、何カ月もかけて準備した攻撃だと言う。
今回のタリバンの攻撃を見ると、2014年に予定されている「アフガン政府軍」への治安権限を委譲し、米軍と欧州軍の撤退は、新たな内戦を招き、混乱の末にタリバンの勝利は確実とみられる。
2014年の米軍撤退後の米軍が残るのかどうか、つまり権力の趨勢が分からないため、アフガニスタンの各部族は再び武装を始めており、米軍撤退後は内戦は避けられそうにない。しかもカルザイ政権は私的利益を追求する集団に過ぎず、治安維持の力はないし、大衆の信頼もない。すでにアフガニスタンへの補給ルートのパキスタンが反米となり、アフガニスタンのイスラム政権存続を望んでいる以上タリバンの返り咲きは確実なのである。
このようなアフガニスタンのシナリオは、オバマにすれば大統領選まで隠しておきたいところであろう。オバマはイラクから撤退し、アフガニスタンには米軍を増派してきた経緯があり、アフガニスタンの混乱は大統領再選にも影響しかねないことである。
しかしアメリカは現在「息継ぎの和平」のため、内政重視に戦略転換している。しかも大統領選の最中であるので米軍を増派することはできない。つまりアフガニスタンはタリバンの復権の可能性が強いことを今回の軍事攻勢は示しているのである。
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