私は平成23年7月末に、勤めていた会社の創業者からのセクハラが原因で会社を退職しました。そして平成24年4月20日和解が成立しました。現在セクハラに悩んでる女性、セクハラ・パワハラなどの裁判を考えてる方への参考になればと思い、投稿させていただきます。
私は退職後にユニオンに相談に行きました。ユニオンの存在を知ったのは退職後だったのですが、在職中に自分でなんとかいろいろ調べたり、雇用均等室や法テラスに相談に行ったりしました。まず、最初に「在職中にユニオンに相談」、これが最善だと思います。
的確な戦略方法や使用者側と雇用者側の仕組みを冷静になって知る事です。そして、何よりも証拠集めです。セクハラは密室で行われるので、証人を探すのは困難になります。また証人が存在しても裁判で証人になってくれる可能性は低いです。
そのためには、本人のセクハラをしている「直接証拠」となる「肉声の録音」が何よりも必要です。私は直接証拠となる録音がとれませんでした。間接証拠の録音どまりです。
これでも価値はあります。具体的に言いますと、「セクハラをした事実を認めさせる」「セクハラが原因で辞めることになった」と第三者(裁判官など)から見ても明らかとなる内容の録音をとりました。
しかし間接証拠はあくまでも間接で、「グレー」です。「クロ」とわかる証拠をとっておけば・・と後悔してます。「クロ」とわかる証拠をとる。これは大変なストレスをともない勇気がいります。
常にボイスレコーダーを用意して作動できる状態を保持してください。電話でのやりとりにも備えて骨伝導式のイヤホン(ボイスレコーダーにつなげる)も用意してるとさらにいいと思います。慣れない操作になりますが、できるだけ事前にシュミレーションをして、いつでも使えるようにしてください。
相手と電話やメールのやりとりをしてるなら、それを全て録音と保存、また友人や家族に相談のメールも残しておく。メッセンジャーなどチャットのやりとりも撮影するか、キャプショしておく。証拠はいくらでも作れるのです。
録音することに抵抗や罪悪感を持っていては、一番大きな証拠を作れないことになりますから、ここは勇気を持って実行してください。そのときは誰にも言わずに一人でこっそり録音してください。盗撮や盗聴の罪にはなりませんので、大丈夫です。
私は「あなたのセクハラが原因で会社を辞めます」「俺が原因か。ごめんね」というやりとりのみの証拠しか残せませんでした。これでも証拠になりますが、あまりにも薄いのです。
このような録音をとったとしても、いざ慰謝料を請求しようと内容証明を送る、訴状を送るとなると、全否定してきます。日本のセクハラ裁判の慰謝料は驚くほど安いのです。
証拠があったとしても、相手側が認めないとなると、裁判所は相手の言い分も聞いてあげて譲歩するようにしてきます。セクハラが原因で辞めたのにも関わらず、年収の3分の1の和解金です。これでは経営者側は「人件費削減のためにセクハラをして辞めさせてやろう」と女性が泣き寝入りをするもの、セクハラはバレないものだとタカをくくって、ますますセクハラが横行することでしょう。
安い慰謝料で済ませないためにも、また精神的・経済的に負担のかかる裁判を早く終わらせるためにもできるだけ明確にわかりやすい証拠をたくさん作ってください。証拠を作るんだ、自分は勝つんだ、と意識をもっていれば、相手が嫌がらせをしてきてもこちらが蜘蛛の巣を張ってる気持ちでいれば必要以上に傷つかず、冷静でいられると思います。
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