新世紀ユニオン発行のニュース

労働弁護団の学習会に参加

 大阪労働弁護団が労働者向けの「労働基礎講座」というのを毎年開催しているので参加しました。弁護士の講義と質疑応答があります。
 今年度は基礎編として1.労働条件の不利益変更 2.人事異動 3.労働協約。その後、応用編として続き4.組合活動と名誉毀損 5.メンタルヘルス 6.定年制(高年法)などとなっています。
 今回は「労働条件の不利益変更」ということで労働者が働く上でのもっとも基本となる労働条件がどのように締結され、また変更されるかという点が議論されました。
 労働者が働く上での労働条件は基本的には個別の労働契約によって決まってきます。しかしそのほかにも就業規則で決まったり、労働協約で決まっていたりします。しかし個別の労働契約がこれら就業規則、労働協約、また労働法令(主に労働基準法)より劣悪だったりするとこれらの諸規定の内容に引き戻されます。
 したがって入った会社の就業規則がとんでもない内容だったりしても法律に違反していなければその就業規則の内容が労働契約の内容になってしまいます。個々の労働条件を就業規則で一方的に決めてしまうことができるという仕組みになっているのです。
 それは一方的すぎるということで労働契約法はその就業規則に「内容が『合理的』であること」、「労働者に『周知』させていること」の二つの要件を課しています。講義では労働組合はこの2点を労働者保護の観点から利用していくべきだと強調されていました。
 すなわち労働契約法3条の労働契約の5原則(合意、均衡、ワークライフバランス、信義誠実原則、権利濫用の禁止)に照らして合理的かどうか、周知の原則(備え付け、交付、端末での確認など)がなされているか、などの要件をチェックし、追求していくことです。
 また使用者側が一方的に就業規則を不利益に変更したり、不利益である就業規則を新たに作成してきたときはどうするかという問題も論議されました。現在でもよくある話であり、歴史的にも重要な判例が多く出されている論点です。
 ここでも第一に「合意」が必要であり、「周知」と「合理性」が要求されています。労働契約法10条にはこのことが明記されていて、「合理性」については判例法理に基づく検討内容が列挙されています。確認しておく必要があるでしょう。
 一方就業規則の作成、変更時における手続きが適法になされているか、記載事項に足りないものはないかなども検討、追求すべき点となります。すなわち過半数労組、過半数代表者の意見添付、労基署への届け出、絶対的記載事項のチェックなどがこれにあたります。
 もう一つ重要なことは就業規則ではなく、使用者が個別に契約を不利益に変更する旨の合意を迫ってくる場合が考えられ、このニュースでもしばしばこの種のトラブルが掲載されています。
 この場合、一般的に労働者の立場は非常に弱く、不利な内容を強要され、いったん「合意」が形成されてしまうとその無効の主張はきわめて困難であることが指摘されています。
 労働者にとって「自由な意志決定」が形成されるには労働者の集団的団結によるものでなければ実際には実現困難であり、その意味でも労働組合として労働協約の締結による集団的合意を目指すことが理想的な形となるのです。
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