アメリカのイラン制裁は、イランを屈服させるという目的を達成できそうにない。報道によればオバマ大統領はイランに「オリンピックゲーム」と呼ばれるサイバー攻撃を指示していた事をニューヨーク・タイムズが報じた。またAP通信はアルカイダに対する無人機攻撃による暗殺の内幕を報道した。
アメリカはアフガニスタン一国を占領・統治すらできず撤兵せざるを得ないので、サイバー攻撃や無人機による攻撃をマスコミにリークしていると見られる。オバマは大統領選に向け強い大統領を演出しているのである。
パキスタン政府は、アメリカがパキスタン領内にいたオサマ・ビンラディンを殺害した越境攻撃を「主権を侵害した」とし、また米軍の越境攻撃でパキスタン兵24人が死亡した事件への報復として、アフガニスタン駐留米軍への補給路を六か月前に遮断し、今も遮断は続いている。
パキスタンは米政府に謝罪を要求しているが、オバマは大統領選を前にして謝罪はできない。6月10日にはキアニ米陸軍参謀長が事態を打開するためにパキスタンを訪問したが、パキスタン政府は面会さえ拒絶した。やむなく米政府交渉団は会談もできぬまま帰国したのである。
パキスタンでは国民の反米感情が高まっており、また軍部内に、アメリカがインドに接近していることに反発と不信がある。アメリカはしばらくは費用のかかるウズベキスタン経由で軍需物資をアフガニスタンに空輸するしかない。
6月になって中国が国連決議に違反して北朝鮮に大型ミサイルの台車となる大型特殊車両4両等を輸出していたことが露見したが、アメリカは中国がアメリカ国債を多く買っていることから「見て見ぬ振り」をしたのである。
最近はアメリカの空母は東シナ海に入ることもできなくなっている。アメリカの権威の低下は隠すこともできなくなっている。アメリカは今後10年間大幅な軍事予算の削減をするため、当分の間戦争できないので「息継ぎの和平」に戦略転換していることが、関係国の侮りの原因である。
日本は小国に舐められているアメリカに国防を依存できないことを理解し、自分の国は自分で守るように国防力を強化しなければならない。対米自立は避けられないのである。
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