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平安女学院大学国際観光学部准教授の地位確認訴訟を傍聴して

  去る7月13日に、京都地裁にて平安女学院大学准教授の金川由紀氏の地位確認訴訟の証人尋問と本人尋問があった。これを傍聴して感じたことを書こう。

 まず、証人として訊問を受けたのは、平安女学院大学の副学長である坂口慶治氏だった。多少先走ったことをいうが、70代半ばの坂口氏の言葉づかいや態度は、とても副学長という重責を担う教授として適当なものとは思えず、とうてい年輪を感じることさえもできない、まさに「横柄」を絵にかいたようなものであった。

 例えば、「筆記者が記録を残しているから質問の言葉にかぶせて答えたりしないように」と再三再四注意されても、ひとの言葉をさえぎってしゃべることは朝飯前で、斜に座って肘をついて質問に答え続けた上、不必要な人格攻撃としか思えない言葉(金川は厚顔無恥だ、怠慢だなど、聞くに堪えない言葉)を質問に絡めて無理やり吐き出す始末。

 尋問終了後も「もっと重要なことをきいてくださいよ、枝葉末節なことばっかり訊いて」と捨て台詞を大きな声でいってみたり、まさにやりたい放題だったといっていい。おそらく、このような態度を見て、彼が素晴らしい人格の持ち主だと考える人はかなり少ないのではないかと、筆者は率直に思った。

 坂口氏の「問題」は、この言葉づかいや態度だけではなかった。内容にこそその「問題」はより多く潜んでいた。例えば坂口氏は、金川氏は2009年10月12日の段階で「短期大学への移籍を了承していた」と述べていたにもかかわらず、金川氏に対する中傷文章(学長あてに届いたといわれるもの)を10月18日に本人に知らせた、これは短大に移ることを了承させるためだった、と言っているのは、明らかな矛盾であった。

 これに対しては、彼自身は矛盾があると思っていなかったのか、原告側弁護士から中傷文書を見せる意図がなかったはずだと言われても要領を得ず、最後に裁判官から「話がかみ合っていません。原告側弁護士は12日で了承したと主張するあなたが、なぜ短大へ移ることを了承させるために中傷文書を18日になって見せる必要があったのか、本当に12日に金川氏が了承したのか、と訊いているのです」と質問すると、「ダメ押しです」という意味不明の答弁を得意になってし、傍聴者の失笑を買っている。

 また、金川氏を短大に移籍させることは形式的なものではなく授業を持たせることも決まっていたと言いつつ、証拠として時間割表を提出しているのだが、証言では「4月1日の入学式まで毎日のように時間割は変わる」と述べている。これについては教務部長の広滝証人も同様のことを述べている。だとすれば、この「時間割」自体に証拠能力があるのだろうか、という疑問も浮かばないか。

 なにしろ、毎日のように変わる、すなわち数多くある時間割の構成途中のバージョンの1つに過ぎない時間割に、まったくと言っていいほど「短大での授業が決定していた」という意味を証明する力はないのだから、そこに金川氏の名前があろうとなかろうと、証拠能力はゼロと言っていい。

 要するに坂口氏の証言は、さっき言ったことと今言ったことさえ整合性を持たず、ましてや一年の長きにわたって準備してきた準備書面で述べていることと、証言内容もずれが生じるなど、極めて遺憾な内容だったと言わざるを得ないのだ。

 これに対して、金川氏の尋問はかなりクリアな論理展開で、傍聴者を安心させてくれた。反対尋問で被告側の弁護士は、ほとんど金川氏を追い詰めることができなかったし、いや、もっとはっきり言えば、彼女の移籍が発表された教授会で、なぜ反対意見を述べなかったのか、そしてその後、どうして学長に電話をして自分の意思をつげなかったのか、ということを繰り返して訊くぐらいのことしかできていなかったといっていいい。

 しかも、被告側弁護士の尋問がこの一点ぐらいしかできなかったためだろうが、かなり無理のある質問もあった。例えば、金川氏は年末にお父様が癌で危篤だった(実際に年明けに亡くなられているという)と言っているのにもかかわらず、執拗に「自分の将来がかかってたら、お父さんが危篤でも電話するべきだったんではないか」と訊いているのには違和感を覚えた。

 正常な社会生活を送っている人間なら、生死の境をさまよう父との時間を最優先するにきまっているのに、それでも自分の将来がかかっているのなら学長に電話したはずだ、となぜ電話にこだわるのかわからないが、学長に電話してないことがさも大きなミスであるかのように言っている姿は、むしろ奇妙にさえ見えた。

 しかも、実際には金川氏は、電話こそしていないものの、学長秘書に何度も面会を依頼していたことが証言され、弁護士がその秘書の名前を聞いてメモを取るという、果たして原告側は事前の打ち合わせをして、その事実関係をきちんと押さえた上で裁判に臨んでいるのかと、首をかしげたくなるほどの滑稽な場面さえあった。

 以上にように、四時間近い尋問時間が終わるころ、裁判所から、金川氏に今の生活はどうしているのかなど、いくつかの質問があり、金川氏がそれにひとつずつ「夫がおり、主人に養ってもらっている」などと答えるのをきいた後、最後に8月末に和解を含めた将来の解決について考える旨が告げられた。事実上の和解勧告で、被告側はこれにどう対応するか注目される。

 外に出ると、曇っていた空はしょぼしょぼと雨が降っていた。当日は、ユニオンの方々が多く傍聴に来ていたため、お互いいろいろ話をすることができたことも、付け加えておこう。

サポーター組合員 匿名希望
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