新世紀ユニオン発行のニュース

労働者の競業避止義務違反について!

 最近あった話ですが、運送会社の労働者が残業代を請求したら会社が解雇してきて、労働審判を闘うことになりました。

 ところがこの労働者は会社に隠れ、別の運送会社を作り、運送業の副業を労働時間内に行っていて、その証拠がたくさん出され、また私用電話を月に何万円もかけていた証拠が会社側書面で出てきました。

 この労働者は、この副業の件も、私用電話もユニオンにも弁護士にも隠していたため、労働審判は即取り下げとなりました。

 残業代を払えという要求も、労働者の側が競業避止義務違反をしていたのではどうしようもありません。「1日2時間の残業は副業をしていたのだろう」と言われても反論できません。

 労働契約法の第3条4項は「労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない」と定めています。これを労働契約に基づく信義誠実の原則といいます。

 つまり労働者は労働契約が存続する間(在職中)は、使用者の利益を著しく反する競業行為をしてはならない義務があります。

 運送会社で働きながら同じ住所地に別の運送会社を作り、時間内に副業をしている場合は、会社から懲戒処分や損害賠償請求がされることになります。しかし所得を補てんするために労働時間外に、他で働いたり、自ら事業を営むこと(兼業)は、使用者の事業と競合しない限り競業避止義務違反とはなりません。

 この労働者の場合は時間内に会社の事務所で電話を使い、副業をしていた証拠の請求書や電話の履歴が証拠として出て来たので万事休すとなりました。

 この労働者は事務所で配車係を1人でしていたので「会社は副業を知らない」と考えて残業代を請求しましたが、実は会社はすべて知っていて、知らないふりをしていたのです。この結果この労働者は35万円の給料の仕事を失い、解雇は合法となったのです。

 自分が時間内に違法な行為をしているのに、残業代を請求しても通るわけがありません。こうした自分の犯罪行為を隠して、ユニオンに加入し、残業代を獲得しようとしたのですが時間内に副業をしていた証拠がたくさん出てくれば審判は取り下げとならざるをえません。

 この人の強欲のために裁判所や弁護士や会社にも多大な迷惑をかけることになりました。

 労働相談をする労働者が自分に不利な行為を隠すことは少なくありませんが、今回のように審判が取り下げとなると本人も「取らぬたぬきの皮算用」となり、しかも本人が弁護士への着手金をまだ支払っていなかったので、この弁護士にはただ働きをさせてしまいました。

 労働者が残業代等の支払いを求めることは権利ですが、この権利を行使するには、自分がきちんと義務を果たしておかないとできないことを理解してほしいと思います。今回の競業避止義務違反については労働審判を取り下げただけでは終わりません。会社側には、この労働者の副業で得られた利益は会社の利益として損害賠償請求を行う可能性が残っています。

 新世紀ユニオンとしても、組合員が隠し事をしていたことで処分を検討せざるを得ません。
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