会社側は労働者の個別労働紛争の対抗手段が裁判しかないことをよくわかっているのだと思います。そして裁判は労働者にとって大変な手間と費用がかかり、負担とリスクが大きいので、到底裁判なんてできないだろうと思っています。
仮に裁判になっても、証拠さえ握られなければ適当に言い逃れできるので怖くないのです。しかも明確な労働基準法違反をしない限り、労働基準監督署が動かないこともよく知っているのだと思います。だからこそ悪質な会社は平気で不当行為・不利益行為をしてくるだと思います。
そして歯向かう労働者には、無視したり、適当にあしらったり、少し脅してみたり等を断続的にやり続ければ、そのうち嫌になって辞めていくだろうと考えているのです。辞めなければもっとエスカレートさせて追い詰め、追い出そうとするはずです。
これではいけません。労働者が個別労働紛争を解決するためには証拠を取れるかが重要になります。しかし違法・不当行為は、借用書や契約書などと違って書面としての確実な証拠が残りません。ほとんどが口頭でのやりとりで行われているはずです。
だから後に問題となった時、「言った」「言わない」というやりとりばかりになり、言い逃れされてしまうのです。だからその会話を録音する事が重要で、それが証拠としての価値を持つことになります。
難しく考えずに言われたこと、されたことを録音すればいいと思います。例えば、嫌がらせをされているなら、その時のやりとりの会話を録音すればいいだけ。録音は改ざんの可能性が少なく、信憑性が高いということです。
そしてその録音を補足する詳細なメモをとっておくことが重要だそうです。そのメモには録音した時の状況を詳しく書いておき、合わせてその日に社内であった事や社会であった事、気が付いた事などを書いておくといいそうです。
録音+詳細なメモは、問題となる事実を一貫性を持って証明でき、しかも労働者が安全にできる証拠の取り方、だということです。
ただ証拠として採用するか、しないかは裁判官や審判員の良心や法的思考によって決められる…ということですので、労働者側が提出する証拠がどこまで信憑性が高い説得力のあるものにできるかどうかがカギとなりそうです。
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