2013年があけようとしている。ここ数年の私の人生をものごとに例えるなら、“ジェットコースター”、という言葉がぴったりだ。
2010年暮れ、実父の危篤が続き看病する私に、突然上司から異動が告げられた。私のキャリアにとってその異動は非常にマイナスとなる。だから異動に納得がいかず、理由をききにいったところ、「文句を言うなら、もっと別のところで働かせるよ」という脅迫じみた言葉が返ってきたのだった。
これまでも給与から勝手にチケット代が天引きされるなど、理不尽な待遇に数しれずあってきた。さらに、まだ忍耐を強要されるのだろうか。「ここで働き続けていていいのだろうか」、この疑問は日を追うにつれて膨らんでいく。そんな思いで迎えた年度末、私には解雇通知なるものが送付されてきた。
その時からしばらくは、世間の人たちみんなが私を指差して、ひそひそと「あの人は、実は・・・」などと噂をしている気がして、家を一歩も出られなくなったことが続いた。買い物も連れ合いに頼み、ずっと部屋の中で過ごす。そんなとき、ユニオンの仲間に出会い、苦しいのは自分だけではないと知ることができた。
初めて訪れたユニオンの事務所には、「苦難は人を鍛錬する」、「備えてのち闘う」、「物事は極まれば反転す」など示唆に富むことばが掲げてあった。「そうだ、こんなひどい目にあったら、次はきっと素晴らしいことがやってくる」必死で自分を納得させた。的確な指示をいつも提供してくれるユニオン委員長は、まさに頼れる存在だ。それに連れ合いもいてくれる。そう思うとここで泣き寝入りだけはしない、そう決心することができた。
それからは、だんだん元気を取り戻すことができた。信じられないことに仕事の話も舞い込んでき、こころの負担も徐々に軽くなっていった。
人生は、まさに「山あり谷あり」である。苦しいときにどのように乗り越えるか、つらいときに、それをどのように捉えるのかで展開が変わってくるだろう。
そして、迎えた2012年、長い裁判に終止符が打たれた。和解が成立し、元の職場とは完全に縁が切れた。通常の退職だと到底手にすることはできなかっただろうと思われるある程度の金銭を手にすることができたわけだ。元の職場と自分との関係を振り返ると悪縁だったといわざるをえない。なぜなら縁がきれたとたん、私には新たな良縁が次々ともたらされてきている。
2012年の師走、これを書いている私は、自分の力をもっと試したくなっていて、次なるステップアップを目指すところにきている。つい数年前には考えられないことだ。
人は逆境に陥ることがある。そのどん底にいるとき、自分をいじめてはいけない。極まれば反転する、ピンチのあとにはチャンスが来る、今のどん底は次なるステップアップの準備期間なのだ。苦しいさなかにいる仲間にこのメッセージを届けたい。
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