新世紀ユニオン発行のニュース

裁判所が認めた「中間収入」の調査について!

 解雇事案の裁判で、被告会社が原告が解雇中に喰う為にアルバイトをしていたことの調査嘱託申し入れをし、大阪地裁がそれを認めたことについて、珍しい例であるので他の労働者の参考になると思われるので書くことにしました。

 労働者が不当に解雇され、アルバイトをしなければ生活が成り立たないので働いているのに、その収入(これを「中間収入」と言う)を被告会社が調査・把握して敗訴後の未払い賃金と損益相殺するという会社側の主張を、労働組合としては絶対に認めるわけにはいかない。

 裁判所の判例は、労働者が使用者の責任で休業する場合、平均賃金の6割以上の手当てを保障されているので、解雇中の賃金については平均賃金の6割までの部分について利益償間の対象とするのは許されない、としている。つまり解雇前の平均賃金の6割を超える部分の「中間収入」については、未払い賃金から相殺する事を認めているのである。

 現在の雇用情勢の下でアルバイトさえ少ない中で平均賃金の6割を超えるアルバイト収入があるはずがないのであるが、しかし雇用保険の失業給付の仮受給を受けていた場合は、ハローワークへの3倍返しなどの問題が生じる場合があるのでこの問題は軽視できないことなのである。

 もともと違法解雇が問題であるのに、裁判所が原告労働者の解雇中の収入の調査を認めるのは、背景に裁判所の現状回復主義の考えがある。労働者の立場からすれば、違法解雇されたから喰う為にアルバイトし働いているのに、未払い賃金からアルバイト代を引くのは許せない、ということになる。

 そもそも、被告会社が労働者の解雇期間中のアルバイトの収入の調査を裁判所に要請(これを裁判所への「中間収入の調査嘱託申出」という)する事は、解雇事案の負けを認めた上で、未払い賃金を値切ろうとすることを意味し、決して得策ではないのである。

 この調査嘱託申出を裁判所は認め、○○△会社に調査した。その結果その企業から、「該当者なし」の回答があったことがわかった。つまり被告会社の企みは失敗に終わったわけである。

 この調査嘱託申出を受けて、裁判官は被告と原告に和解を勧告し450万円での和解が成立したのである。今日では個人情報保護法があるので、裁判所の調査であってもアルバイトの収入を確定する事は難しく、被告企業が「中間収入」を把握することは不可能に近い、むしろ裁判の負けを事実上認めることなので被告会社にとってリスクが高いのである。

 我々は日本の労働裁判の「現状回復主義」に反対する。違法解雇に対しては未払い賃金と同額の慰謝料を判決で認めるべきであり。違法解雇をして敗訴しても賃金を支払えばおしまいと言うのでは、違法解雇のやり得を許すだけなのである。
スポンサーサイト
!!ここに掲載の広告は 当ユニオンとは一切関係ありません!!
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
 ブックマークこのエントリをはてなブックマークに登録 このエントリを del.icio.us に登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 この記事をPOOKMARKに登録する このエントリをSaafブックマークへ追加 newsing it!

プロフィール

ユニオンニュース

Author:ユニオンニュース



一人でも入れる労働組合「新世紀ユニオン」が発行するニュースのサイトです。

新世紀ユニオンの組合費、拠出金等に関する高等裁判所の判決文を掲載しました。 拠出金高裁判決

検索フォーム
アーカイブ

カテゴリ

最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
  1. 無料アクセス解析