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安倍・オバマ首脳会談の評価について!

 安倍首相の今回の訪米についてアメリカ側の冷ややかな対応が際立った特徴で有った。韓国の大統領が訪米した時は晩さん会が行われたが、安倍首相は昼食会だった。共同記者会見も行われなかった。アメリカ主要メデアも安倍訪米を報道しなかった。この点では中国の新華社通信の自信満々の「安倍首相が冷遇された」との報道が正しい。

 その背景には、現在のオバマ第二期政権は基本的に国内経済の再建を最大の課題にしており、そのために中国との経済関係を最重視しており、中国世論を刺激する従軍慰安婦問題の「談話見直し」を主張する安倍政権を、オバマが苦々しく見ていたことは確かである。また訪米と測りに掛けるがごとく森元首相をロシアに派遣し、日ロ関係の改善を模索する安倍を、アメリカが苦苦しく見ていたことが反映したものと言える。

 つまり安倍首相は、一方で対ロ関係の改善の姿勢を見せつつアメリカに譲歩を迫ったわけで、こうしたしたたかな外交が、アメリカの支配従属関係の主人としてのプライドを傷つけたことは間違いない。だがオバマにしてみれば目指す米経済再建のためには、日米の貿易関係を発展させなければならないので、TPPでの安倍の主張「あらかじめすべての関税撤廃を約束しない」を受け入れる他無かったのである。

 安倍が表明したシェールガスの日本への輸出については、アメリカ側に輸出するだけの産出量が無く、国内消費量の10%の産出量では、要請にこたえるわけにはいかないのである。アメリカのシェールガスの産出量が増えれば世界の天然ガス・原油価格を下げることができるのであるが、アメリカメジャーも原油の価格維持に利害があるので難しいのである。オバマがシェールガスでいい返事が出来なかったのは、産出量の増大が見込めないからにすぎない。

 日本はコメ・保険、アメリカは自動車を聖域とするのでは今までとあまり変わらない。アメリカの自動車が日本で売れるとも思えない。アメリカは尖閣諸島で日本と中国の戦争に巻き込まれるのを恐れており、日本は最早自国の防衛でアメリカを頼りには出来ない事を知らねばならない。安倍の集団的自衛権の主張も当分戦争出来ないオバマには魅力は無かった。

 アメリカは、安倍の「アベノミクス」が巧く行けばアメリカ経済にも好影響が出るので、寸前まで出す予定の無かった共同声明を出したに過ぎない。

 日本は、自主防衛力を強化し、対ロシア関係を改善して対米自立の必要条件を強化していくことが必要な時期を迎えているのである。すでに中国のミサイル配備で沖縄の戦略的価値は低下しており、その意味で普天間基地の移転の金は意味が無い。自主防衛の予算とする方がアメリカの為にもなるのである。

 安倍の訪米が曲がりなりにも成功したのは、アメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換していたからであり、対ロ関係の改善をアメリカが許したわけではないであろう。日本が対米自立していくことを目指す限り、日米の矛盾は改善しないであろう。安倍は夏の参院選挙までは公約を守るであろうから、改憲等の課題は今は出せないのである。この点で民主党の軽薄さと比べ安倍の慎重さが特徴的である。
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