報道によると、安倍首相は4月2日当面の雇用制度改革について具体化を厚生労働大臣に指示した。その内容は(1)失業なき円滑な労働移動(2)民間人材紹介サービスの最大限活用(3)「多様な正社員」の活用、の3点です。
その内容は規制改革会議や産業競争力会議などの議論を見ると、安部政権の考えている事がわかる。まず労働移動ではこれまで雇用を維持した企業に支払われていた雇用調整助成金を廃止し、企業がリストラするときに一時的に所属させる人材紹介サービス=転職支援会社(=リストラ請負会社、これを民間アウトプレースメント会社という)などへの費用を国が支援する。
「多様な正社員」とは現在の期限の定めのない正社員と有期雇用の3極の間に職種や地域や労働時間などを限定した「限定正社員」を作り、その業務や事業所が無くなれば合法的に解雇しようといううもの。いわばいつでも必要無くなれば解雇できる都合のいい「正社員」(=期間不明の有期雇用)
つまり安倍政権は国家財政を企業のリストラ支援につぎ込み、いつでも首を切れる「解雇自由化の正社員」を「限定正社員」の名称で新たに造ろうとしているのです。欧州では国の金が失業者に支給されているが、日本では企業の首切り費用に労働財源を充てようとしているのです。
安倍政権が愚劣なのは「失業なき円滑な労働移動」と言いながら、成長産業を育成する計画もなく、あいも変わらず公共事業のばら撒きをしている点です。電機産業ではリストラの対象にされた労働者が「隔離部屋」(=追い出し部屋)に入れられて自分の天職をさがさせられているのですが、転職すべき仕事が無いのに、リストラを支援する事自体が大量失業を生み出すことであるのに、「失業なき」と明示する点が詐欺的と言わねばなりません。
我々は労働者を一等社員(期限の定めのない雇用)二等社員(首切り自由の限定正社員)三等社員(有期雇用)と差別する雇用形態に反対する。欧州のように正社員と非正規の同一労働同一賃金の原則が、日本では実施されず今も差別賃金が存続していることも改めるべきことである。
かねてから安倍政権が解雇の自由化を「有識者会議」で検討していると報じられてきた事が国民の目に見える形で明らかになったと言える。我々はたとえ限定的とはいえ解雇の自由化は野蛮な搾取を一掃推進するものであるので断固反対するものである。
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