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永和化学によるパワハラ事案の訴状を提出!

 永和化学は大阪に本社のある松垣薬品工業(社長はいずれも松垣氏)の子会社である。A子さん(女性)は高松にある永和化学の事務員として2002年から働いてきた。2005年10月に工場長が代わって以後、住友化学から天下りしてきた新工場長Kからセクハラやパワハラを継続的に受けるようになった。

 2009年5月永和化学の工場で爆発事故があり社員2人が顔面にやけどをした。A子さんは救急車を呼ぼうとしたが工場長に反対された。会社は違法にもこの爆発事故を隠ぺいした。A子さんはこの労災隠しを高松労働基準監督署に告発した。

 ところがその後K工場長によるパワハラが激化し、あげく会計担当の女性のA子さんは現場に配転命令を受けた。A子さんはパワハラでうつ病が悪化し出社できなくなった。A子さんは高松の労働組合を次々訪問し相談したが、いずれも「配転は泣き寝入りした方がいい」との答えであった。

 A子さんは四国から大阪の新世紀ユニオン事務所を訪問し、相談の上当ユニオンに加入して闘うことになった。労災隠しの告発、うつ病発症による労災申請、内容証明による違法な配転への抗議などを行った。

 監督署は労災隠しについて刑事事件とすることをA子さんに通知した。その後永和化学は刑事事件で有罪(罰金刑)判決を受けた。労働基準監督署の監督官は、A子さんへの配転命令を労災隠し告発への「報復である」と判断した。その後監督署はA子さんのうつ病での労災を認定し、A子さんは2年間労災で休み、会社は早期の解雇を狙っていたが、解雇できないままとなった。

 2012年2月A子さんの精神疾患は症状固定したものとして12級の後遺症が残ったと判断された。その後当ユニオンはA子さんが収入の道を断たれたままだったので、とりあえず団体交渉で労災認定の期間2年間の慰謝料を請求したが、会社側弁護士は「業務起因性を争う」として、大阪で(合意管轄で)裁判をしよう、と答えた。

 A子さんの症状は未だ回復せず、収入の道は断たれたままであるので、本訴訟に及ぶことになった。本訴訟の損害賠償請求金額は1259万6620円である。新世紀ユニオンでは本事案が悪質極まりないセクハラ・パワハラ事案であるので、訴訟の進行状況を適時グログで報告することにした。

(注・ここに書いた経過は、簡略化ししている。実際には同時並行的に事態が進行した事を付記する)

追記

 なお重いうつ病のA子さんには、労災認定の経過などの資料作りは大変な苦痛を伴うものであった事を付けくわえる。パワハラを思い出すだけで涙を流しながらの作業となった。

 うつ病の人が労災の手続きや爆発事故隠しの告発や会社との内容証明のやりとり、訴訟の準備は、A子さんの症状の改善時を見ながら休み休みの長い作業となった。病気の中でのA子さんの努力と勇気をたたえたいと思います。
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