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新世紀ユニオン発行のニュース

ブラック大学、ブラック研究室

 「大学界」の報道が少ないからでしょうか。それとも、大学は社会的権威があり、有識者の集団、一心不乱に実験をする研究者がいるところ、という根拠のない先入観からでしょうか。研究や教育活動を担う大学や大学研究室の“ブラック化”を知る人は多くありません。

 しかしブラック大学はブラック企業、ブラック研究室はブラック部署、と置き換えるだけで、その様態は同じです。なかでも“白い巨塔”の要素がある医療系学部(医・歯・薬・看)の大学や研究室のブラック化は、深刻さ抜群です。

 教授や准教授(上司)の立場を利用した若手研究者や院生・学生(部下)へのハラスメント、研究不正(コンプライアンス違反)の加担の強要、ハラスメントや研究不正を大学内外に相談したことへの仕返しハラスメント(公益通報に対する激化した報復ハラスメント)、任期制や評価の恣意的運用(有期雇用や人事評価の恣意的操作、裁量権の乱用)が横行しています。

 ハラスメントの具体例は、教授室に数時間も拉致して威嚇する、他人の面前で見せしめで怒鳴り続ける、研究活動に必要な実験装置をとりあげ実験をさせない、研究室や試薬棚、更衣室の鍵を取り上げる、講義や学生実習から外す、連絡事項をまわさない、研究室で孤立させるために接触禁止のメールを教室員にメールする、等々です。

 研究不正の具体例は、実験データの数値を改ざんする、都合のよいデータをかいつまんで図を作成する、実験データを測定できる機器がないのにデータ作成、つまりデータ捏造を強要する、共著者に論文原稿をみせずに学術雑誌に投稿する、等々です。

 任期制や評価の恣意的運用の例は、任期更新の基準を十分に満たす業績があるのに更新しない、不良行為のでっち上げで評価を落とす、更新拒否の理由を説明しない、等々です。

 ハラスメントや研究不正、雇用問題の解決に取り組むのは、大学には面倒くさい、責任をとりたくない、外部に漏れると厄介だ、という意識しかありません。ハラスメントはコミュニケーションの行き違い、あるいは“指導”だという。研究不正は実験結果の記録の提出すらさせず、調査もせず、放置する。ハラスメントや研究不正の調査をし、事実関係を明らかにした上で解決を諮るのではなく、訴えた当事者を辞めさせ、解決したことにしています。

 若手研究者の立場は弱く、その弱さにつけこまれ研究妨害されるか、あるいは研究不正やハラスメントに加担してうまくやるか。後者を選ぶ者が多い結果、負の連鎖を伴い、大学のブラック化が進行しています。

 海外からも、日本の若手研究者の研究環境や、多発する研究不正問題は問われているのに、大学や学会、文科省は改善する気はなく、日本の科学全体に対する信用は失墜しています。研究者が研究できないのですから、科学技術の発展や医療分野での成長戦略など、夢物語りです。
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