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大学人事は感情が優先する

 前回に続いて大学の人事に関する裏話を紹介する。

 もう十年以上前のことだが、A助教授が教授への昇進審査を受けることになった。A助教授は人柄も良く、面倒な各種委員会も積極的に引き受け、教育も熱心であったため、誰もが教授昇進は間違いないと思っていた。

 しかし、結果は昇進不可であった。理由としては、発表論文が少ない、特に外国の専門雑誌での発表が少ない、というものであった。

 A助教授の専門分野ではそれほど外国雑誌への発表は重視されないのであるが、審査に携わった3人の教授のうちの1人、別の専門分野のB教授は、「これからは国際社会だから学生の指導者も国際的に評価されるものでなければならない」という自分の専門分野に基づいた見解をごり押しして昇進を拒否したのだった。

 しかし、実情は違っていた。

 実は、A助教授は学生運動が盛んな時に助手の立場で学生側に協力し、教授会に対峙していたのであった。それを知っていたB教授は、その学生運動の件が全く自分には関係ないにも関わらず、教授会に逆らった人物という理由でA助教授の昇進を拒否したのだった。

 結局、翌年にB教授が停年退官した後に、A助教授は教授昇進が認められた。このように大学の人事では、過去の事案がもとに感情的に昇進が拒否されることも多々ある。

 実は、A助教授は学生運動での行動が理由で、元の大学では昇進できずに別の大学に転任していたのであった。何十年も前の学生運動の遺恨はずっと続いているという例である。

 ちなみに昇進後のA教授は、外国の専門誌に論文を発表し、積極的に共同研究を行って研究業績を増やすというB教授と同じような教授になってしまった。

 それまでは、「国内の専門雑誌に日本語で論文を書いても良い研究成果は認められる」とか「共同研究は必要な時にだけ行えばいい、業績稼ぎの研究報告は必要ない」とか「自分の専門分野以外の研究に共同研究など参画する必要はない」などと美学を語っていたが、完全にそれは崩壊してしまった。

 このケースは、人事が人を変えた好例でもあるかもしれない
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