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中国は覇権国家となれるか?

 習近平がオバマ大統領に、新しい2国間関係を提起したのは覇権の分有を想定したものであった。資本主義の不均等発展は、古い覇権国アメリカの財政危機による戦略的後退に乗じ、アメリカが軍事費を削減する10年間に、社会帝国主義となった中国が野心的軍事強国の建設にまい進している。
 
 アメリカの経済の立て直しは可能なのか? 欧州の国家的金融危機は克服できるのか?日本は震災と原発とデフレを克服できるのか?全ての先進国が経済的困難にあえいでいる時に、中国が覇権国としての軍事的超大国目指し邁進している。重要なことは、新興の中国社会帝国主義は最も凶暴な帝国主義なのである。

 世界第二位の経済大国になった中国の野心は膨れ上がり、軍部の独走を指導部が統制出来なくなりつつある事を、見ておくべきであろう。中国なりに旧ソ連の総括を行い、経済建設を先行させたうえで軍事強国化を進めているのは、軍拡競争で経済破綻した旧ソ連の失敗を研究した事を示している。

 オバマの弱腰戦略が、第二のチェンバレンの役回りを果たす事を警戒すべきであろう。中国は政治的には旧ソ連よりも熟練し、外交は巧みである。人口は世界最大であり、今後の経済成長次第では世界最大の超大国に生まれ変わる可能性がある。

 アメリカがやむなく2正面戦略を放棄し、大規模な軍事力削減に進み始めたときに、中国は軍事大国化の時間を獲得したと言えるのである。7月23日の朝日新聞は「中国がアメリカを追い抜く」と見ているのが世界の主流だという。

 つい最近中国海軍の艦隊(5隻)が、日本海北部でのロシア軍との演習の後、宗谷海峡を通り、北方4島の北の海峡を抜けて太平洋を、日本を周回するコースで軍事的示威行動を行ったのは彼らの自信と奢りと野望を示しているのである。

 中国はアフリカの資源を獲得し、インドのカシミール地方を侵略し、パキスタンの軍港を自国海軍の基地化しつつある。東南アジアは砲艦外交で屈服させ、第2の運河を中米に建設し、中米の反米国を勢力圏に入れることを目指している。つまり彼らは世界戦略を着々と進めている。

 中国は旧ソ連の失敗から、経済大国化を先行させて軍事大国化するやり方をしており、アメリカが「息継ぎの和平」で内政にとらわれている間に、アメリカの覇権を奪おうとしているのである。

 中国は自国人民に強烈で悪辣な反日教育を行いつつ、日本の親中国派の有名人を中国に招待し、飼いならし、あわよくば日本を闘わずに翼下に収めようと画策している。

 中国の戦略的弱点はチベット・新疆ウイグルの独立問題など、少数民族の民族自決権を解決できない事であり、さらには党幹部の腐敗問題が大衆の批判を受けている事である。経済危機をきっかけに、この内的矛盾の深刻化が、外への凶暴性に転化する事を、日本は国防政策として考慮しておくべきである。

 日本が自主防衛の強化を急ぐ事を怠らなければ、中国の覇権獲得は失敗する運命にある。逆に日本が中国の軍事的支配下に置かれるなら、アメリカは世界覇権を失うであろう。
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