日本郵便が、ペリカン便とゆうパックの統合に失敗し大きな赤字を出してから、郵便事業がガタガタになり、経営側がさらに労働者にしわ寄せを及ぼす施策を繰り返しているのは愚かとしか言いようがない。非正規切りだけでなく、製造業でもない郵便にトヨタ方式の「カイゼン」を導入したのが失敗だった。
郵便労働者の自爆営業のノルマは増えるばかりで、しかも誤配や交通事故をするなと言う脅しともとれるプレッシャーの加圧は酷くなるばかりだ。埼玉の新都心郵便局では「お立ち台」に立たせて労働者に謝罪させるなど、精神的拷問の労務管理で、集配の労働者が追いつめられて飛び降り自殺している。このほか過労で突然死する例も多いらしい。
もともとトヨタ方式は自動車の産業用ロボットの生産ラインで行われていた労務管理を、労働力集約型の郵便に導入するのが間違いなのだ。ロボットなら24時間耐えられても、郵便では人への負担が増大するのは当たり前で、それが自殺・過労死の増加の原因である。日本郵便は隠ぺい体質を改め、全国でどのぐらい社員の自殺・過労死が出ているのかを公表すべきである。
社員の非正規化を進める為、ベテランの社員を遠隔地に配転し退職に追い込んだ結果、ベテラン一人の穴埋めに非正規3人が必要となり、逆に人件費が年間100数十億円も急増したのは、配達システムを破壊する大失敗と言える。
民営化したからと、郵便の特殊性を無視して民間会社の労務管理を導入したのが大失敗なのだが、経営陣は誰も責任を取らず、ただ郵便ネットワークをズタズタにし、国民の信頼を損ねるばかりなのだ。多くの局で期日指定の郵便物が遅れて配達されているのだ。大売り出しに間にあわない宣伝郵便が、遅れて配達されていることも隠ぺいされている。
大阪のある局では、局長のパワハラでうつ病で休職する営業マンが5人も出たが、局長を移動させただけで隠ぺいした。その後退職に追い込まれた職員もいるのである。日本郵便の労務管理は愚劣としか言いようがない。
当ユニオンでは、郵便物の事故が1カ月に3件起きたので、以後ニュースなどの配送をメール便に切り替えた経緯がある。問題にすると郵便労働者が処分される可能性があるので局には抗議しなかった。
日本郵便会社はプレッシャー型労務管理や非正規化や人事異動や自爆営業で、郵便ネットワークを傷つけ、破壊し、国民の郵便に対する信頼を崩壊させている事を自覚した方がいい。
日本郵便会社経営陣は、トヨタ方式の失敗を認め、辞職によって失敗の責任を取るべきであろう。
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