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新世紀ユニオン発行のニュース

私の労災申請と認定までの記録

1:労働基準監督署への相談

 私は上司のハラスメントが原因で、休職しました。精神科に通い、治療を受け、そして主治医が「職場環境が調整されれば、職場復帰してよい」と判断したので、その旨を事業主に伝えました。しかし事業主は、なかなか私を職場復帰させてくれませんでした。

 私は職場復帰のためには“公けの機関”に相談すればよいと考え、労働基準監督署(労基署)に行きました。労基署内の「労働相談コーナー」と「安全衛生課」で「事業主が職場復帰させないこと」「上司のハラスメント」を相談しました。

 その後、なんとか職場復帰はできたのですが、私に対するハラスメントは続きました。しかも職場復帰後は上司からだけではなく、職場全体で組織だって、私に対してハラスメントがおこなわれるようになりました。

 私は職場復帰後も「労働相談コーナー」で、職場のハラスメントを相談していました。ハラスメント相談の一環で「休職したことについて、労災申請したい」と担当者に話しました。担当者は「労災担当の課があるので、そちらにまわします」と、労災課の担当者(労災調査官)に引き継いでくれました。

 そして労災に係わる事は、担当の労災調査官に相談することになりました。

2:労災の申請

~休業補償給付支給請求書と申立書~

1.休業補償給付支給請求書

(1)休業補償給付支給請求書

 休職したことについて労災申請したいと、担当の労災調査官に相談しました。労災調査官から休業補償給付支給請求書(請求書)を渡され、下記の説明を受けました。
・ 労災申請から結論がでるまでには時間がかかること(10ヶ月~1年以上)
・ 事情聴取を、申請者、職場関係者、家族に受けてもらうことになる
・ 労災は申請をしたからといって、全てが認定されるのではない
・ 請求書には、事業主と主治医の署名が必要 
・ 事業主が署名を拒んだら、労基署に連絡をすること

(2)休業補償給付支給請求書と主治医の署名

 労災申請のため、主治医と事業主に請求書への署名をお願いしました。ここで、ある困ったことが起きました。それは、主治医が請求書への署名を拒否したことです。私はどうすれば良いのかわからなくなり、労災調査官に相談しました。

 労災調査官は「再度、主治医に署名を求めてみること。それも拒否されたら、請求書が提出できるような対応を考える」と言ってくれました。

 最終的には主治医は請求書に署名してくれましたが、この件以来、私は困ったことやわからないことは、労災調査官に相談するようになりました。

 少々時間がかかりましたが、事業主は請求書に署名してくれました。

1.申立書

(1)申立書

 請求書の提出後、労災調査官から申立書を渡されました。申立書は規定の書類で、業務経歴、勤務形態、受診した医療機関、病歴、申立人の健康状態(飲酒、喫煙)、家族構成、病気の発症前6ヶ月の出来事、などを記入します。

 私は規定枠内に書ききれなかったので、添付書面をつけました。それと、私は字が下手なのでパソコンで文を書き、それを印刷して申立書に張りつけました。

(2)添付書類

 申立書には、添付書類(資料)をつけることができます。保険証や健康診断結果のコピー、手帳、ノート、メモ(業務・出退勤に関することなどの記述のあるもの)です。

 私は添付資料が多かったので、「添付書類リスト」を作りました。リストがあると、資料内容がわかりやすいと思ったからです。

 労災調査官に「これは助かる」と言われた資料は、就職してから休職に至るまでのハラスメントの年表です。年表には、ハラスメント事項に対応する資料がわかるようにと、資料番号も記入しておきました。

(3)申立書と添付書類の提出

 申立書と添付書類を提出すると、労災申請が完了となりました。その際、労災調査官からは、以下の3点を言われました。
・事情聴取をするまでは、時間がかかること。
・聴取の予定が決まったら、労基署から連絡をする。
・質問や何かあったら、労災調査官に連絡をするように。

3:事情聴取まで

1.事情聴取までの出来事

・ 労災申請をして3ヶ月経った頃、私は、追加で提出したい資料がでてきました。労災調査官に電話で連絡をし、追加資料を提出しました。
・ 私の主治医は、ある時期に「患者との信頼関係が保てない」と言い出し、そして一方的に“休診”にしてしまいました。

 私は途方にくれて、労基署に直接行き、労災調査官に事情を話しました。労災調査官は「労基署としては、精神科を紹介することは出来ません。ただ、そのような出来事があったことは、伺いました」という内容の事を言ってくれました。

2. 事情聴取の段取りの連絡

 労災申請をしてから4~5ヶ月経ったころ、労災調査官から「事情聴取の段取り」の連絡を貰いました。通常の事情聴取は最初に申立人を聴取し、その後に家族や職場関係者の聴取をするそうです。

 私の場合「ハラスメントの時系列が年表で明らかなこと、それに伴う資料があること」から、「先に職場関係者の事情聴取をおこない、その後、申立人、そして家族を行う予定でいる」といわれました。また、私の家族は遠方に住んでいるので、家族が労基署に来ることの確認をされました。

3. 家族への事情聴取の方法

 労災申請してから7ヶ月経ったころ、家族への事情聴取は文書で行う、との連絡を貰いました。文書は「母親」に書いてもらうように、と指示されました。

4:事情聴取

 労災申請してから8ヶ月目、私は労災調査官から事情聴取を受けました。

1.事情聴取の回数と時間

 私の事情聴取は、合計20時間程にもなりました。日にちをあけて3回、まるまる午後をかけた聴取を受けました。聴取が業務時間内に終わらず、労基署の裏口から退出したこともあります。その3回以外にも、補足質問ということで、比較的短時間の聴取を何回か受けました。

 事情聴取の際は、印鑑をもってくるようにと言われました。

2.事情聴取の仕方

 事情聴取は、労災調査官が質問し、私が答え、その質疑・応答を労災調査官がパソコンに記録していく、というものでした。淡々と質疑・応答、パソコンへの記録が、繰り返されました。

 全ての質疑・応答、パソコンへの記録が終了すると、記録が「調書」として印刷されてきました。調査官から「調書」内容を、その場で確認するように言われました。私は、内容がしっくりこないところは調査官に申し出ました。

 私の申し出に対して、調査官は質問をしなおしたり、調書を書き直したりしていました。再び「調書」の内容を確認した後、私は署名と押印しました。

5:労災認定後

 最後の事情聴取から数週間後、厚生労働省から労災認定の葉書を貰いました。労災申請から10ヶ月目のことでした。

 その後、私は労災認定にあたっての開示請求を労働局に行いました。開示された文書は640ページ以上もありました。個人が特定される部分は黒塗りされていましたが、復命書などは開示されていました。総合判断は下記の通りです。 

 「上司から恒常的にどなられる等、上司とのトラブルが続く中、平成〇〇年〇月〇日に上司から「あなたは一人で仕事ができない」といわれた。同日から△月中旬までの期間において恒常的長時間労働が認められることより、心理的負荷の総合評価は「強」と判断でき、業務と傷病との間に相当因果関係が認められるため、当該傷病は業務上と判断される」
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