シリアに国連の調査団が入る、その時を見計らって反人道的化学兵器(毒ガス)が使用された。欧米諸国がこぞってこれを批判し、無理やり政府軍への空爆を正当化しようとしている。外からの介入で、シリアをイスラム教の宗派的内戦に導いたのは欧米諸国であった。彼らの誤算は、ロシアと中国が安保理の拒否権で国連決議を阻止している為、国連決議に基づく軍事介入が出来ない事である。
しかもシリアの反政府勢力内部に、アルカイダなどのイスラム原理主義過激派が勢力を伸ばし、その結果アメリカや欧州諸国は泥沼になる地上軍派兵がしにくい状況が生まれている。そこでシリアの戦場での毒ガスの使用である。大量破壊兵器は欧米諸国の軍事介入の口実とされてきたのはイラク侵略を見れば明らかだ。こうして欧米諸国によるシリア空爆の口実として「毒ガス使用を阻止する」事が掲げられた。
動機から見ればシリアでの毒ガス使用は、軍事介入したい勢力のしわざと見るしかないのである。彼らには空爆の口実が欲しかったのである。アメリカのイラク侵略もありもしない大量破壊兵器が口実にされた。内戦が長く続けば巨大な武器市場が存続するのであり、シリア政府軍の軍事的優位は欧米諸国には困るのである。
世界中の平和を求める人々は、欧米の軍事介入の為のシリアでの陰謀的化学兵器の使用を糾弾し、シリアへのいかなる軍事介入にも反対しなければならない。介入の為の陰謀的口実でシリア政府軍への空爆は正当化できない。空爆は中東と世界を一層不安定化する事になるであろう。
外からの介入で、シリアを武器市場としたのは欧米諸国であった。イスラエルの安全の為にも、イランと近いアサド政権では困るのである。しかし空爆でロシアと中国は反発し第2冷戦状態に近づく可能性がある。世界的経済危機下での戦争による経済的利益の追求は危険なことである。
空爆になれば、原油価格が高騰しぼろ儲けできる。石油メジャーを持つ米・英のいつもの手口である。イランと近いシリア政府軍の軍事的優位はイスラエルには脅威である。内戦が終わるなら欧米の影響下にあるスンニ派政権を作りたいのが彼らの本音であろう。しかし戦争は相手があるので思わぬ展開・副産物を生むものである。
アメリカは、イスラエルの安全のために、エジプト軍にクーデターをやらせ、今度はシリアのアサド政権を打倒しようとしていろ。
アメリカとイギリスが軍事介入するたびに、中東の人々は難民化し、テロと飢えが人民を襲うのである。軍事介入はその地域を不安定にするだけでなく、新たにテロリストを生み出していくのである。世界市場が荒れることは、世界同時不況を深刻化させるだけなのだ。
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